米国のブリンケン国務長官の中国政策に関する演説を受け、中国の王毅外相は28日、この演説は米国の世界観、中国観、中米関係に深刻な偏向が生じていることを反映していると反論しました。
中国国内ニュースサイトの百度新聞に掲載された記事より。
米国のブリンケン国務長官は26日、バイデン政権の中国政策について演説しました。
ブリンケン国務長官は、中国政府による国内の監視網の強化や、南シナ海での違法な権益の主張などを厳しく批判しました。
「中国政府が、国内で抑圧を強め、国外ではより攻撃的になっている」
「習近平主席のもとで、中国共産党は国内で抑圧を強め、国外ではより攻撃的になっている」
王毅国務委員兼外交部長(外相)は28日外遊先での記者会見で、「第1に米国側に伝えたいのは、世界は米国側が描く世界ではないということだ。」と述べました。
「習近平主席が提唱する「一帯一路」、グローバルな開発イニシアティブ、グローバルな安全保障イニシアティブは、国際社会から普遍的に歓迎され支持されています。」
「しかし、米国は冷戦のメンタリティーを持ち、覇権の論理に従い、ブロック政治を推進しており、それは歴史の流れに逆行し、紛争と対立を招き、国際社会を分裂させるだけである。 米国は、実は現在の国際秩序を揺るがす混乱の元凶であり、国際関係の民主化を阻害する存在になっている。」
王毅外交部長は続けて、「第2に米国側に伝えたいのは、中国は米国の憶測するような中国ではないということだ」と述べました。
「中国の発展と振興には明晰な歴史的論理と強大な内生的原動力があり、14億人が共に現代化へと向かうことは人類にとって大きな進歩であり、世界への脅威や挑戦ではない。我々が拠り所としてきたのは中国共産党の強固な指導であり、中国人民の団結・勤勉・努力であり、中国の特色ある社会主義路線である。」
「我々は、より高水準の改革開放を推し進め、より高水準の協力・ウィンウィンを実現しつつあり、必ずより良い中国となり、そして中国の発展によって世界をより素晴らしくしていく」
王毅外交部長はさらに、「第3に米国側に伝えたいのは、中米関係は米側のデザインするゼロサムゲームではないということだ」と表明しました。
「習近平国家主席は、中国と米国が互いの関係をうまく処理できるか否かは、世界の前途・命運にかかわり、両国がしっかり答えなければならない世紀の問題であると指摘した。」
「米国はまず一極覇権は支持を得られず、ブロック対立に未来はなく、デカップリングやサプライチェーンの分断は他国と自国の双方に損害をもたらすということを認識するべきだ。」
「中米間にも競争はあろうが、悪質な競争であるべきではない。我々は恫喝や脅迫に譲歩せず、中国の主権・安全保障・発展上の利益を断固として守っていく。いかなる抑圧や封じ込めも、中国国民をさらに団結させるだけだ」
最後に王毅外交部長は、「中米関係は重要な岐路に立っている。相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンという『三原則』の実践に真に力を入れることで、中国と米国という2つの大国が新しい時代において正しく付き合っていくための道を見出すべきだ」と述べました。
ブリンケン国務長官の演説に、趙立堅などの外交部の報道官ではなく、外遊中の王毅外交部長が反論していることから、中国にとっては痛い所を突かれたと思ったのでしょう。
王毅外交部長は、26日から10日間の予定で南太平洋諸国を歴訪中です。
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参考記事
http*://bit.ly/3wZY5ku