黄大仙の blog

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中国政府が「台湾海峡は国際水域では無い」と主張、台湾は「台湾海峡は国際水域」と反論

中国外交部は613日、「台湾海峡の主権は中国にあり、国際水域では無い」と主張すると、翌14日には台湾外交部が「台湾海峡は国際水域」と反論しました。

  米国国営の短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

大陸と台湾とに挟まれた台湾海峡

  米国と同盟国は、海峡の大部分が国際水域であると主張し、『航行の自由』として、定期的に海軍の艦艇をこの海峡に通航させています。

 

  中国は長い間、台湾海峡を自国の排他的経済水域の一部と主張してきましたが、過去にこの海域の法的地位について米国当局と話をしたことはありません。

 

  中国外交部の汪文斌報道官は、613日の定例記者会見で、「関係国が台湾海峡を国際水域と呼ぶのは、台湾関連問題を操作し、中国の主権を脅かすことだ。 これは、中国の主権と安全保障に対する脅威である。」と発言しました。

 

  これに対し、台湾外交部の呉江安報道官は14日の記者会見で、「台湾海峡は国際水域であり、台湾の領海の境界線から外れるすべての海域で国際法上の公海自由の原則を支持する」と述べました。

 

  呉江安報道官は、続けて、「地域の平和と安定を促進するための米国の航行の自由ミッションの利点を理解し、支持している。」と述べています。

 

  また、呉江安報道官は、「中国政府が台湾の主張を無視し、国際法のルールを意図的に歪曲し、台湾海峡を自国の排他的経済水域に矮小化しようとした」と強調しました。

 

  米メディアBloombergは、中国軍系の関係者はここ数カ月、米軍との会談で、台湾海峡は国際水域ではないと繰り返し主張しており、このことは、米国政府にも警告を発していると報じています。

 

  米国とその主要な同盟国は、台湾海峡はほとんど国際水域であり、米軍は航行の自由を行使するために定期的に台湾海峡に艦船を派遣していると考えています。

 

   米軍艦は東シナ海南シナ海を行き来する航海で年に数回、2021年は平均して月に1回、台湾海峡を通過しています。 また、今年は少なくとも3回、台湾海峡を通過しているとBloombergは報じています。

 

  米国防総省報道官のマーティン・マインズ中佐は、「米国は、国際法が許す限り、飛行、航行、作戦行動を続ける。それには、台湾海峡の横断も含まれる」と述べています。

 

  米国は1979年より、他国が領海や排他的経済水域といった海洋権益を過剰に主張していると判断した場合、その主張を認めないという意思表示をするため事前通告なくその海域を航行するという「航行の自由」作戦を実施し、英仏海軍も類似の活動を行っています。

 

  日本の海上自衛隊護衛艦2021年春以降、南シナ海で中国が領有権を主張する岩礁や人工島の接続水域を複数回航行しています。

 

  航行の自由作戦に対して、中国が激しく反応することは、珍しいことではありませんが、台湾が『台湾海峡は国際水域』と明言するのは、滅多に無いことです。

参考記事

<自由亜州電台>驳斥北京 台外交部重申台湾海峡是国际水域

http*://bit.ly/39vXM9h