黄大仙の blog

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ベトナムのGDPが第2四半期に7.72%急増、11年ぶりの高水準に、中国からの製造業撤退で最大の受益者に?

今年第2四半期(46)ベトナムGDP7.72%増と、11年ぶりの高水準となりました。一部のメディアは、ベトナムが中国からの製造業流出の最大の受け皿になったと主張しています。

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

 

  ベトナムは中国と同じく、共産党による一党独裁共産主義国です。中国は都市封鎖を伴うゼロコロナ政策や、共同富裕など、政治が非経済的な干渉を行うため、外国人投資家はベトナムの方が自由経済市場に適していると考えていると分析する専門家もいます。

活気付くベトナムの製造業

  ASEAN諸国の中で、ベトナムは労働コストが低く、中国に近く、1億人近い人口と大きな内需市場を持つことから、台湾企業をはじめ、外国投資家が東南アジアに工場を設置するのに、最初の選択肢になっています。

 

  ベトナム国家統計局の発表によると、第2四半期の国内総生産(GDP)が前年同期比7.72%増となり、第1四半期の5.05%増から上昇し、2011年第2四半期以来の成長率となりました。

 

  米国への輸出が高水準を維持し、新型コロナ感染症の減少、ロックダウンの解除、個人消費の著しい回復がその理由であると発表しています。

 

  第2四半期のGDP2.1%の成長にとどまると予想される中国と比べ、ベトナムは第2四半期に中国の3倍以上の成長を遂げ、中国からの工場移転の恩恵を最も受けて、爆発的に経済成長を遂げました。

 

  ベトナムの最大の輸出先は米国であり、上半期の対米輸出は22.5%増の559億米ドルに達しました。 ベトナムの第2四半期の輸出総額は、2021年同期比で21%増加し、上半期の輸出総額は前年同期比17.3%増の1,8594千万米ドル、工業生産高は8.7%増となりました。

 

  昨年13月のベトナムの新型コロナ感染対策による規制は、近隣諸国より厳しく、昨年第3四半期のGDP6.02%縮小しましたが、昨年末に規制を緩和して工場のフル稼働を再開させていました。

 

  ベトナム政府は、今年のGDP成長率を66.5%にすることを目標としており、世界銀行5.8%になると予測しています。 

 

  台湾の中国経済研究院地域発展研究センターの楊書菲副所長は、主に電子産業メーカーの工場はベトナム北部に集中しており、中国に近いという重要な理由から、電子部品サプライヤーにとっては、サプライチェーン、原材料、部品が現地から供給できない場合は、中国南部の供給システムで対応できる、という具体的なメリットがあると分析しています。

 

  また、楊書菲副所長は、「ベトナムASEANの中でも比較的労働コストが低く、近隣のタイやフィリピン、インドネシアと比べても賃金が低く、人口も約1億人と十分なマンパワーがあり、人件費の面で優位性がある」と述べています。

 

  JETROの調査報告書によると、2020年のベトナムの製造業の労働者の平均月給は約250米ドルで、中国本土の47%、タイの56%、マレーシアの58%、インドネシア69%でした。

 

  楊書菲副所長は、ベトナムが輸出志向の国であり、多くの国と自由貿易協定(FTA)を締結していることを指摘し、「ベトナムCPTPPRCEPに加盟し、ロシアやEUともFTAを締結しており、FTAカバー率が高く輸出志向企業の輸出競争力向上に役立っている」と述べています。 

 

  ベトナムは中国と同じ共産主義国ですが、ベトナム政府は中国政府ほど経済に対して支配的、介入的ではありません。

 

  例えば、感染症予防では、中国のゼロコロナ政策は非常に厳しく、生産停止を求めるところもあります。 一方、ベトナムでは、仕事を止めることまでは要求されません。

 

  しかし、楊書菲副所長は、今年第2四半期のベトナムGDP11年ぶりの高水準を記録したのは、昨年同時期はベトナムが疫病の影響を受けて、GDPが低かったことが影響していると指摘しています。

 

  ベトナムは今年のGDP成長率の目標を67%としていますが、下半期の国際情勢によります。現在、米国の利上げにより、国際金融システムは混乱しており、今後のベトナムの経済成長のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

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  成長著しいベトナムです。うかうかしていると、日本がベトナムに抜かれる日も、案外近いのかもしれません。

参考記事

<自由亜州電台>越南第2GDP狂增7.7211年新高 成为制造业出走中国的最大受惠者?

http*://bit.ly/3y7FKme