NASAの長官が、中国が、「月はもう我々のものだ、近づくな 」と言うかもしれないと、中国の宇宙開発に対して警告を発しました。
ドイツ国営の国際放送メディアの徳国之声の記事より。
NASAのビル・ネルソン長官は、ドイツのピクトリアル紙とのインタビューで、「中国は月に着陸して『今は我々のものだ、近づくな』と言うかもしれない。私たちはそれを心配しなければなりません。」と述べ、中国の宇宙開発計画に警告を発しました。
ネルソン長官は、「中国の宇宙計画は「軍事宇宙計画」であり、アメリカのアルテミス計画とは異なり、中国は研究を共有する気はなく、月も共有しないだろう。宇宙開発競争が再び起こる、今度は中国と」と付け加えました。
アルテミス計画は、米国政府が出資する有人宇宙飛行(月面着陸)計画で、月の周回軌道上に小型宇宙ステーションを建設し、2024年までに有人月面着陸を行うというものです。
中国は、月面着陸を成功させるべく、月探査計画に積極的に取り組んでおり、「嫦娥5号(じょうが5ごう)」が2020年12月に月面の土と岩のサンプルを地球に持ち帰ることに成功しました。
中国は、 2030年までに、月に恒久的な基地を持つ計画で、ロシアと共同で建設・運営する可能性があります。
ネルソン長官は、「中国が宇宙で追求する軍事的な目的は、 他人の衛星を破壊する方法を学ぶためだ。」と述べ、「中国は確かに優秀だ。 でも、それは他人のアイデアや技術を盗むからでもある。」と、中国の技術盗用も仄めかしています。
中国の野心的な宇宙開発計画は近年著しいスピードを上げており、無人月面探査車による月の裏側の探査、無人探査機の火星への軟着陸、月からのサンプルの帰還など、数々の画期的な成果を達成しています。
中国の宇宙開発は軍によって管理されており、そのために、アメリカは国際宇宙ステーションから中国を排除しています。 現在、中国は天宮宇宙ステーションを国際協力のために利用する計画も持っています。
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米国の宇宙開発のニュースは、ワクワクしながら見ていましたが、いつの間にか中国も激しく追い上げており、かつて米ソで争われた宇宙開発競争が、今は米中で争われることになりました。
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参考記事
<徳国之声>NASA局长发警告:小心中国占领月球
http*://bit.ly/3nBa2c1