中国河南省の村鎮銀行で預金が引き出せなくなっている問題で、数千人の預金者が鄭州市の中国人民銀行前に集まって横断幕を掲げ、抗議デモを行いました。その後警察が集団の強制排除を行い、多数の負傷者が出る事態となりました。
米国国営放送の美國之音の記事より。
今年の4月に、中国河南省の複数の地方銀行で預金が引き出せなくなり、その状態は今でも続いています。
引き出せなくなっている預金額は総額最大で2000億円とも言われ、銀行は、内部システムの更新作業中だと説明していますが、一部の利用者によるとその後銀行とは連絡が取れなくなったとのことです。
預金を引き出せなくなった数千人の預金者が10日、河南省の省都鄭州市の中国人民銀行鄭州支店前に集まり、預金を返還するよう要求し、横断幕を掲げて抗議デモをしました。
ネット上にアップされた動画や写真では、多くの預金者が「河南省政府が黒社会と連携した権力の恣意性と預金者への暴力に反対」「河南省政府の腐敗と暴力に反対、40万人の預金者が河南省で中国の夢を砕かれた」などのメッセージを掲げているのが確認されています。
河南省当局は現場に警官と白シャツ、黒シャツを着た警備員(私服警官やマフィア)を配備し、預金者に解散するように呼びかけましたが、預金者が応じないと見ると、警官隊が突撃して預金者に殴る蹴るの暴行を加え、現場は大混乱となりました。
多くの預金者が現場で取り押さえられ、バスの乗せられてどこかに連れ去られました。
中国SNSによると、現場には預金者の3倍以上の警官が投入され、中には警官ではなく、黒社会の人間と見られる者もいたとのことです。
その後、中国人民銀行鄭州支店前の抗議デモのニュースは封鎖され、微博(中国版Twitter)の関連トピックは全て削除され、微信(中国版Line)のメッセージも封鎖され、現場の情報は途絶えました。
先月にも、全国の預金者が預金の引き出しを求めて鄭州市に集まろうとしましたが、コロナ対策として導入されている「健康コード」が突然「赤コード(移動不可)」に変わった預金者が相次ぎ、鄭州市に集まれない事態が起こりました。
この時は、健康コードの目的外使用として、人民の非難を浴びました。
参考記事
<美國之音>河南乡镇银行爆雷持续发酵 一千多储户郑州维权遭驱散多人受伤
http*://bit.ly/3AFlDi0