黄大仙の blog

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トルコで大量のレアアースが発見される 中国の優位的地位を揺るがすか。

トルコの首都アンカラ西部にあるエスキシェヒルで、大量のレアアースが発見されました。トルコからのニュースは、レアアース産業における中国の優位な立場を直撃する可能性があります。

  米国国営放送の美國之音の記事より。

トルコでレアアースの大鉱床が発見される

  トルコのイスタンブール鉱物・金属輸出協会は、トルコ北西部、首都アンカラの西部にあるエスキシェヒルで、大量のレアアース資源が発見され、1000年分の世界需要を満たせる埋蔵量があると発表しました。

  同協会のMetin Cekic理事は、「レアアースは、我が国の若者と地元住民の雇用を創出し、我が国を世界有数の地位に押し上げるだろう」と期待を寄せています。

 

  トルコのエネルギー・天然資源省のFatih Donmez大臣は、「この鉱床には約69400万トンのレアアースが含まれ、地表に近いので、処理コストは比較的低いだろう。17種類のレアアースのうち、10種類はここで採掘できる。」と述べています。

 

  レアアースは産出量が少なく、抽出が難しいレアメタル希少金属)の一種です。多くの産業分野で広く使われており、 スマートフォンや電気自動車、風力発電機や軍事用ミサイルなど、多くの製品に欠かせないの物質です。

 

  少量を添加するだけで耐熱性や強度を高めるなど製品の性能を向上させることができ、「産業のビタミン」とも呼ばれています。

 

  米地質調査所(USGS)によると、2020年の世界のレアアース生産量シェアは、中国58%、米国16%、ミャンマー13%、オーストラリア7%となっており、中国の存在感が強くなっています。

 

  レアアースの調達が途絶えれば電気自動車(EV)などハイテク製品の生産にも響くため、各国は経済安全保障の観点から囲い込みの動きを強めています。

 

  北京は過去数十年間、豊富な鉱床、安い労働コストと甘い環境政策により、世界のレアアース市場において大きな優位性を獲得してきました。

 

  このため、中国は世界のレアアース分野を支配し、政治的な道具として利用するようになりました。

 

  最初に世界に警鐘を鳴らしたのは、2010年の日中衝突でした。尖閣諸島近海で、中国漁船が海上保安庁の艦船に体当たりし、日本が船長を逮捕したことを受けて、中国は日本に対して2カ月間レアアースを禁輸しました。 

 

  2011年には中国がレアアースの主要輸出国という立場を利用して、レアアースの価格を引き上げました。

 

  2019年、米中が貿易戦争に深入りしていた頃、中国の習近平国家主席江西省レアアース製錬所を訪問しましたが、レアアース分野で中央政府が発言権を持ち、多くの産業に影響を与えることを米国に思い知らせる意図があったと解釈されています。

 

  しかし、トルコからのニュースは、レアアース産業における中国の優位な立場を直撃する可能性があります。

 

  トルコはレアアース鉱床の開発に、複数の企業に入札を呼びかける可能性があり、さまざまな国が入札することだと思われます。日本の企業が落札することを祈ります。

参考記事

土耳其发现大量稀土 中国老大地位不保?

http*://bit.ly/3Rs0oWR