中国国有企業で、世界最大の鉄道車両メーカーである、中国中車股份有限公司の子会社の月給が680元(約13800円)!! 0が一個か二個足りないだろうって? いいえ!正真正銘月給680元です。
中国国内ニュースサイトの捜狐網に掲載された記事より。
中国中車は中国の高速鉄道の車両を生産する国営企業で、フランスのアルストム、ドイツのシーメンス、日本の日立製作所を凌ぐ、世界最大の鉄道車両メーカーです。
中車青島四方は中国中車の中核子会社ですが、工学修士を持つエンジニアで、勤続10年以上の正規社員の6月の手取り給与が、680元しかなかったことがSNSで話題になっています。
なぜ中国中車の職員の待遇がこんなに低くなったのでしょうか? これは、大躍進していた中国の高速鉄道が、成長に翳りが見えることを反映しています。
中国の高速鉄道は、年間8000キロという猛スピードで延伸していましたが、全体の稼働率は高くないどころか、黒字でもなく、北京-上海、上海-南京、上海-杭州の一部が黒字だったほかは、大半の高速鉄道は大赤字経営に陥っています。
2021年末には、中国国鉄グループは498億5000万元(約1兆円)という巨額の損失を出し、すでに5兆9200億元(約119兆円)の負債を抱えていました。
借金がかさみ、国鉄も地方政府も資金不足のうえ、共産党政府のゼロコロナ政策の影響で乗客が激減したため、今年の鉄道投資は6年ぶりの低水準に落ち込んでいます。
国鉄グループのデータによると、2019年に8489キロだった新線建設は、年々減り続け、今年は3300キロと、2019年の40%以下に落ち込んでしまいました。
高速鉄道だけに限って見ても、今年新たに開業する高速鉄道の計画走行距離は1400キロに過ぎず、2019年の1/4と大きく落ち込んでいます。
今年上半期の中国の鉄道固定資産投資は2853億元(約5兆7600億円)で、前年同期比4.6%減となりました。
鉄道投資の減少で、中国鉄道は苦境に立たされており、 今年第1四半期、中国中車の鉄道設備事業の営業利益は53.5億元(約1000億円)で、前年同期比64.8%減となり、青島四方は2億元(約40億円)の赤字となりました。
青島四方は生産能力、管理レベルともに、中国中車の子会社では最強であるのにこの惨状であり、他の鉄道車両生産工場の状況は、さらに悲惨であることが懸念されています。
中国経済の低迷はこんなところにも現れてきています。
参考記事
<捜狐網>到手工资683元?中国中车跑不动了
http*://bit.ly/3z5ADmX