ロシアのプーチン大統領は、ロシアの領土が脅かされた場合ロシア国民を守るため、ウクライナで核兵器を使用すると脅迫しました。欧米では「ロシアが本当に核兵器を使用したら、どう対応すべきか」という議論が巻き起こっています。
ドイツ国営の国際放送の徳国之声の記事より。
ロシア・プーチン大統領は21日に国民に向けた演説の中で、「核兵器で我々を脅迫しようとする者たちは、立場が逆転する可能性があることを知らねばなりません」と核兵器の使用を示唆し、「これはハッタリではない」と付け加えました。
どのような核兵器をどのように使用するのか、分析するアナリストもいます。
爆発力がTNT換算で300トンから10万トン程度の、小型戦術核兵器が配備される可能性を指摘するアナリストもいます。
小型戦術核兵器をウクライナ戦線に配備することで、ウクライナを脅して降伏交渉に応じさせたり、西側支援者の分断を狙ったりするのが目的です。
また、ウクライナ上空で核兵器を爆発させて、電子機器を麻痺させる電磁パルスを発生させることで、大きな犠牲を避けつつ、厳しいメッセージを送ること可能性として指摘されています。
首都キエフを核攻撃して多数の死傷者を出し、同国の政治指導者を殺害することもあり得ると指摘するアナリストもいます。
欧米諸国はロシアの核兵器使用への対応について曖昧な態度をとっており、プーチンの核の脅しを前に弱みを見せるわけにもいかず、しかし、ウクライナでの戦争が、広範で壊滅的な世界的核戦争にエスカレートするのを避けようとしています。
もしロシアが核兵器を使用すれば、これまで欧米の対ロ制裁に消極的だった国々、例えばインドや中国でさえも、さらなる対ロ制裁に参加する機会になるかもしれないと、指摘するアナリストもいます。
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プーチンの核の脅しに対して、日本で非難の声が盛り上がらないのが不思議です。
普段は「唯一の被爆国」「核廃絶」「世界平和」を声高に叫んでいる一部政党やマスコミが黙っているのは、相手がロシアだからでしょうか?
日本のマスコミもあまり触れないし、この徳国之声の記事でも触れていないことですが、「中国ウクライナ友好協力条約」という中国が対ウクライナ安全保障を約束した条約があります。
2013年12月5日に、ウクライナのヤヌコーヴィチ大統領(当時)と中国習近平国家主席との首脳間で締結された条約です。
中国が、非核保有国であるウクライナに対して核兵器の使用または脅威を与えないことを無条件に承諾し、さらに、もしウクライナが核兵器の使用によって侵略された場合、またはそのような侵略の脅威に晒された場合は、中国はウクライナにそれ相応の安全保障を提供することを約束する条約です。
要するに「中国はウクライナが核攻撃を受けるような事態になれば、ウクライナ側に立って、攻撃してくる相手国と戦う準備がある」ことを約束したわけです。
もしロシアがウクライナへ核攻撃をすれば、条約に基づいて中国がロシアに報復(核報復とは限りませんが)することになります。
実行しなければ、中国は約束を守らない国として認知されることになり、中国の面子は丸潰れです。
中国の動向を見守りましょう。
参考記事
<徳国之声>如果普京在乌克兰使用核武器,将会发生什么?