黄大仙の blog

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中国の若者の失業率は依然高いのに、第20回全国代表大会は危機を無視

中国共産党20回全国代表大会(二十大)1022日に閉会しました。習近平が『共同繁栄』の実現を約束したものの、危機の解決策を提示することはできませんでした。 中国では失業率が過去最高を記録し、特に若者の雇用の見通しが立っていません。

  ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より

習近平3期目続投によって失業率は改善されるのでしょうか?

  中国の都市部では、16歳から24歳の若者の5人に1人が失業しており、過去最高の失業率になっています。

 

  遼寧省葫芦島出身の于さん(23)は、1年前に長春大学を卒業しましたが、就職が決まらず、現在は実家で暮らし家族に頼って生活をしています。

 

  于さんは、「ゼロコロナのせいで企業は苦境に立たされ、多くの人が失業している。職歴のない卒業生は言うに及ばずだ。」と不満を漏らします。

 

  失業率の数字と景気後退は、5年に一度の共産党大会に影を落としています。 『人民の領袖』である習近平は、人民大会堂に集まった2,300人の代表者に対し、毎日のように共通の繁栄について話していましたが、中国経済が抱える問題についてはほとんど触れることはありませんでした。

 

  ゼロコロナ政策のもとで繰り返される都市閉鎖、内需の停滞、不動産市場の低迷、過剰債務などが、世界第二の経済大国である中国を直撃しています。 

 

  今年第2四半期の中国経済の成長率はわずか0.4%でした。 政府が設定した今年の成長率目標5.5%は達成できない見込みです。

 

  世界銀行は、今年の中国の経済成長率を2.8%と予想しています。 2020年のパンデミックの年は別として、中国経済がここまで落ち込むのは40年ぶりであり、他のアジア諸国を下回るのは1990年以来のことです。

 

  中国国家統計局18日に予定されていた、第3四半期のGDPなど経済指標の発表を延期しました。重要統計が突如延期されるのは極めて異例で、16日に開幕した中国共産党大会期間中の発表を見送ったとみられ、習近平総書記の威信を傷つけかねない低成長を示す数値の公表を避けた可能性も指摘されています。

 

  清華大学の元政治学講師である呉強氏は、「中国の失業率は過去最高で、中小企業の廃業も多い。地方政府は大きな財政的圧力にさらされている。習近平の経済政策とゼロコロナ政策が、ここ数十年で最悪の危機を招いた」と述べています。

 

  呉強氏は、「この30年間で、中国は一定の豊かさを蓄積し、中産階級を生み出した。しかし、彼らには政治的な代弁者がおらず、声を届ける術がないのだ」と指摘しています。

 

  第20回全国代表大会では、習近平の思想が党規約に組み込まれ、習近平の権力が強化され、次の5年の任期が確定されます。

 

  ベルリンのメルカトール中国研究センター(MERICS)のヤコブ・グンターは、習近平の次の任期は、中国のここ数十年で最悪の経済に直面することになると指摘しています。

 

  先述の于さんは、自分の就職がうまくいかないのは、中国の大学教育制度と関係があると考えており、「 大学では表面的なことしか学ばなかった。 大学は時間の無駄だったと思っています。」と不満を述べ、今後は医師のもとで漢方を学ぼうと考えているそうです。

参考記事

<徳国之声>中国青年失业率高企 二十大无视危机

https://bit.ly/3z60dJx