江西省の高校生胡鑫宇さんが、失踪から3ヵ月後、近くの丘にある穀物倉庫内で遺体で発見されました。胡鑫宇さんは、首を一本の靴ひもで吊られた「首吊り」状態だったということです。胡鑫宇さんの母親である李連英さんは、捜索隊は穀物倉庫も捜索しているのに、その時は発見されなかったと言っており、法医学者は50kg以上もある男子高校生を靴ひも一本で吊るすことはあり得ないと指摘しています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
江西省上饒市公安局は1月29日、失踪中だった致遠中学生徒の胡鑫宇さんが「首吊り死体」として発見されたことを伝えました。靴ひもが使われていたとのことです。
中国国内メディアによると、胡鑫宇さんは穀物倉庫内の柵の側で発見され、穀物倉庫の管理者が胡鑫宇さんの遺体を発見し、吊り縄は靴ひもであったと明かしたということです。
著名な法医学者胡志強は、「50kg以上もある身体が、100日以上もぶら下がったままというのはあり得ないことです。靴ひもの耐荷重、50kg以上に耐えられるかどうかにもよりますが」と述べています。
湖南省の警察署で副署長を務めたことのある李氏は、過去に事件を扱った経験から、首吊り遺体の首が3ヶ月以上も重さに耐えるのは難しいとし、「いつ死んだのか、明らかにしないといけない。行方不明になってから100日以上経っている、遺体は腐敗しているのか？身体はとっくに分離しているはずだ。 常識に沿った考え方ができない」と述べています。
胡鑫宇さんの母親の李連英さんは、家族が以前に穀物倉庫に捜索に行ったことがあり、民間の救助隊や警察も捜索に行っているが、胡鑫宇が見つからなかったと述べています。
その後、中国国内メディアは、捜索隊が穀物倉庫を捜索したが、当時、胡鑫宇さんの遺体が発見された場所にはたどり着けなかったと報じています。
事件の状況はあまりにも奇怪で、一般の人の知識を超えています。 高校生が厳しい監視カメラ網をかいくぐって学校を抜け出し、見慣れない森に逃げ込み、最終的に首吊りをするのはなぜなのでしょうか？
胡鑫宇の死亡事件では、中国の多数の人権弁護士が、全国人民代表大会常務委員会に緊急公開書簡を提出し、「既存の死亡事件処理制度は適正手続きを欠き、広く乱用されている。死亡事件は社会的に大きな事件であり、当該政府の処理方法は基本的に捜査当局が主導し、識別側は公平を期す顔をしながら、司法や警察とは不可分である」としています。
米国在住の人権弁護士呉紹平氏は、胡鑫宇の死について、「まさに遺体がどんな状態だったのか、彼ら(警察)は地域社会に発表せず、我々は遺体の状態について詳しい情報を見ることができなかった」と述べました。
呉紹平氏は、「結果は、遺体とその横にあったICレコーダーを見つけたということだけです。 また、多くの国民の関心事は、『亡くなった方の臓器は摘出されているのだろうか？』ということです」と述べています。
これまでのところ、上饒公安局はこの事件を刑事事件として認定せず、民事事件の捜査の方向性を踏襲しています。
事件処理の経験が10年以上ある元警察官は、「上饒公安局の説明内容は、世論を胡鑫宇が自殺したと誘導しているようだ」と指摘しています。
++++++++++++++++++++++++++++++
江西省上饒市鉛山県の致遠中学で寮生活をしていた胡鑫宇さんは、昨年10月14日、寮から100メートルも離れていない校舎へ向かう途中に突然に姿を消しました。
同日午後5時48分には寮内の監視カメラに映っていましたが、その後、姿が見えなくなりました。寮から校舎までの間に監視カメラに映らない場所が10メートル余りあり、ここで何らかの事件が発生した可能性があると伝えられていました。
中国メディアの中にも「これまで大規模な捜索が行われていたにもかかわらず、なぜ発見されなかったのか」と疑問を提起するメディアもあります。
上饒市の警察は今月7日、学内で殺人や自殺などの事件の痕跡は見つからず、胡鑫宇さん自らが学校を出たとの見方を示していました。
胡鑫宇さん失踪事件は、監視カメラに囲まれた全寮制の高校から学生が忽然と姿を消したことから、「臓器移植が必要となった共産党上層部のためのドナーとして拉致された」というトンデモ説も流れていましたが、遺体の発見場所が高校の敷地に隣接する倉庫であり、周辺が何度も捜索され、捜索のために樹木も伐採されているのに、失踪から発見まで100日以上もかかっていることで、さまざまな憶測を呼んでいます。
参考記事
<自由亜州電台>胡鑫宇百多斤重被一根鞋带悬吊 胡母：搜救队曾进入粮仓
