ドイツのメディアによると、ドイツのショルツ首相は2月25日に2回目のインド訪問を行いました。ショルツ首相がインドを訪問した背景には、ドイツの中国への依存度を下げることを意図しています。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
ショルツ首相はインドで、インド人のドイツへの労働移民を呼びかけました。ハイテク都市バンガロールを訪問した際には、ドイツはあらゆる分野の専門家を必要としていると述べています。
ショルツ首相は、移民の障壁を減らし、インドのIT専門家のドイツへの移住を大幅に拡大する計画です。これにより、ドイツは専門家不足を解消すると同時に、中国への依存度を下げることができからです。
ドイツ政府の今年の優先事項の1つは、関連する法的要件の確立とビザ発給プロセスの簡素化です。バンガロールでは、ショルツ首相はソフトウェア会社SAPの本社を訪れ、ドイツでの就職を控えたインド人と面会しました。
ドイツ政府は、中国への依存度を下げたいと考えています。インドは長い間、その第一候補と見なされてきました。しかし、ドイツ企業は、ドイツ政府の保護主義と官僚主義がドイツ企業の投資を難しくしていると不満を漏らしています。現在、ドイツはインドに1,800社以上、中国に5,000社以上の企業が進出しています。
ショルツ首相はまた、ロシアのウクライナに対する侵略戦争について明確な立場をとるようインドに求めました。
インドのナレンドラ・モディ首相と会談した後、ショルツ首相は「この戦争は大惨事だ。 ロシアは国境を移動するために武器を使用しないという国際原則に違反した。」と述べました。
モディ首相は、自国の目標は対話と外交による戦争解決であり、インドはあらゆる和平交渉に貢献する用意があると答えています。
ドイツの週刊誌デア・シュピーゲルによると、ショルツ首相はインドに「どうか、どうか、友達になってください」と祈っているような印象を受けたと報じています。
インド訪問中、ショルツ首相は世界最大の民主主義国を必死に口説いていました。インドはあまり民主的でないこともありますが、しかし、ドイツには相手を選ぶ余裕はありません。
ドイツのタブロイド日刊新聞の『ビルト』は、モディ首相はショルツ首相を非常に温かく迎え入れてくれたが、ウクライナに対する残忍な侵略戦争にもかかわらず、インドはロシアとの関係を守り続け、西側の対ロ制裁は間違っていると考えており、モディ首相はプーチンの側に立ち続けていると見ています。
ドイツのテレビ局n-tvは、「ショルツ首相は独印二国間の経済関係を拡大するためにインドを訪問し、投資の拡大を希望している。中国はドイツにとって圧倒的に大きな貿易相手国であるが、別のアジアの民主主義国が中国に取って代わる可能性はある」と述べています。
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ドイツに限らず、潜在的成長力の高いインドに注目する国は多くありますが、インドもかなりしたたかな国なので、手玉に取られないように注意しないといけませんね。
参考記事
<rfi>印度:德国的新中国?
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