中国国防部は7月14日、ロシア海軍と太平洋の西部と北部の海域で共同巡航を開始し、合同演習「海上連合2024」を今月中旬まで実施すると発表しました。この演習はどの国も標的にしていないと述べました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
中国国防部は声明の中で、今回の巡航は中露両国間の年間計画と合意に基づくものであり、「この作戦はいかなる第三者も狙ったものではなく、現在の国際情勢や地域情勢とは無関係である」と述べました。
2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、中国はロシアとの外交、経済、軍事交流をさらに強化し、近年は関係がさらに緊密化しており、両国は友好関係に『上限はない』”と表現しています。
中国はロシアのウクライナ侵攻を非難したことはなく、紛争においては中立の立場を取ろうとしてきました。
しかし、先日閉幕したNATO首脳会議で発表された声明では、中国はウクライナにおけるロシアの戦争の「主要な支援者」であると非難し、民生用・軍事用の商品の取引を含め、ロシアに政治的・経済的支援を提供していると非難しました。
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ウクライナに侵攻し軍事リソースのかなりの部分をウクライナに注入しているロシアにとって、背後にあたるシベリア、太平洋は安全保障上手薄な状態になっています。
中国と合同することで、背後にも睨みを効かせているつもりかもしれません。
ところが、現在も中露国境のウスリー川に浮かぶダマンスキー島(珍宝島)の領有を巡って争い、ウラジオストックを含む沿海州はもともと中国のものだと宣う中国が背後の最大の脅威だったりします。
6月にプーチン大統領が北朝鮮、ベトナムを歴訪しましたが、北京に立ち寄らなかったのは、習近平を牽制していたのだと考えるのは考えすぎでしょうか?
外交に長けた人なら、ここで習近平に擦り寄って、耳元で「シベリアの原油を獲りにいくなら今が絶好のチャンスですよ」と囁くんでしょうね。
参考記事
<自由亜州電台>中俄海军在太平洋海域再度联合巡航