台湾中央通訊社が報じたところによると、頼清徳総統が米国歴訪の最初の訪問地であるハワイを通過したことに対し、中国外交部は、無名の報道官名で反対を表明し、米側に厳重な申し入れを行いました。これに対して台湾は公式に反論しています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
台湾外交部は12月1日にプレスリリースを発表し、中華民国は主権国家であり、台湾中華民国と中華人民共和国は互いに従属するものではなく、中国が台湾を支配したことは一日もないと強調しました。
声明は、「頼清徳総統の南太平洋島嶼国との外交関係強化のための訪問と、慣例に従った米国ハワイの通過は、主権国家の正当な権利の行使である。もし中国が中華民国国家主席の通常の訪問に対して何らかの過剰反応を示すならば、それは地域の平和と安定を損なう中国の不適切な行動であり、国際社会からも非難されるだろう。」と強調しました。
また、中国台湾事務弁公室の陳斌華報道官が1日に、「米台公式交流と『台湾の指導者』のいかなる名目、いかなる理由による米国への通過にも断固反対する。」との声明を発表したことに対し、台湾の大陸委員会は、「頼清徳総統が国交訪問の際に通常の慣例に従って米国を通過することは正当な権利の行使であり、中国がゼロサム的な考え方で台湾を抑圧し続けることは両岸関係の健全な発展につながらない。」と述べました。
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今年5月20日に行われた頼清徳台湾総統の就任演説では、台湾の民主主義や平和維持への強い意志が表明されました。頼清徳総統は中国との関係において「現状維持」を基調としつつ、台湾が独立した国家であるという立場を明確にしました。この発言は中国を刺激する内容であり、国際社会でも注目されました。演説の背景には、中国からの圧力に対抗しながら、米国や日本などの同盟国との関係を強化する戦略が含まれています。
これに対し、中国は強い反発を示しています。中国政府はこの発言を「一つの中国」政策に反する行為として非難し、台湾独立の動きを抑え込むための圧力を強化しています。
まず軍事的圧力として、中国は台湾海峡での軍事演習を増加させ、戦闘機や軍艦を台湾周辺に展開することで圧力をかけています。これにより、台湾のみならず、アメリカや日本などの台湾支援国への威嚇も意図しています。
さらに中国は国際社会に対し、台湾の独立支持を明確に拒否するよう求めています。特に台湾と関係を深める国や企業への制裁をちらつかせることで影響力を行使しています。
台湾産品への規制強化や、経済的取引を制限する措置を取る可能性もあり、台湾経済に間接的なダメージを与えることを狙っています。
これらの対応は、アジア太平洋地域全体の緊張を高める要因となっており、各国の安全保障政策に大きな影響を与えています。
参考記事
<自由亜州電台>中国反对赖清德过境美国 台湾回应