黄大仙の blog

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「ヒトメタニューモウイルス」感染の増加に伴い、原因不明の肺炎を監視する中国

中国の国立疾病予防管理局は、呼吸器疾患が多い冬季に、原因不明の肺炎に対する積極的な監視プログラムを試験的に実施していると発表しました。また、ほとんどの人に深刻な影響を与えない「ヒトメタニューモウイルス」の感染率が上昇していることも懸念されています。

  ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。

ヒトメタニューモウイルス感染症が増加 写真はイメージ

  中国国家疾病予防管理局は記者会見で、原因不明の肺炎に対する積極的なサーベイランスを試験的に実施していると発表しました。

 

  CCTVニュースによると、疾病予防管理局はまた、新たな感染症発生のための病原微生物報告カタログを作成し、疾病予防管理局機関の実験室報告手順と検証・処分プロセスを明確化しています。

 

  新型コロナウイルスが最初に出現した5年前の準備レベルの低さに比べれば、専門システムの確立は感染症サーベイランスと早期警戒能力の向上に役立つでしょう。

 

  疾病予防管理局は、「急性呼吸器感染症のセンチネルサーベイランス」に関する統計を発表し、それによると、1216日から22日までの1週間、急性呼吸器疾患の感染率が全体的に上昇傾向にあることがわかりました。

 

  このデータから、最近多いのはインフルエンザウイルスやヒトメタニューモウイルスなどの病原体であることがわかります。中でも14歳以下のヒトメタニューモウイルス陽性率は変動しながら上昇傾向を示しており、中国北部の省で顕著に増加しています。

 

  ヒトメタニューモウイルスは新しいウイルスではなく、疾病予防管理局は過去の学術論文で、このウイルスは国境に関係なく世界的に流行しており、冬と春に発生率が高く、飛沫や接触によって伝播すると指摘しており、一般的な症状は、咳、発熱、鼻づまり、息切れなどの上気道感染症です。

 

  ヒトメタニューモウイルスに感染すると、潜伏期の終わりから急性期にかけて感染力を持ちます。しかし、このウイルスはほとんどの人に深刻な結果をもたらすことはなく、症状は通常1週間程度で徐々に治まります。

 

  上海肺科医院呼吸器科の胡洋副主任医師は、メディア『毎日経済新聞』のインタビューで、ヒトメタニューモウイルスに感染した場合、やみくもに抗ウイルス薬を使うべきではない。現在、診療所にはヒトメタニューモウイルスに対するワクチンや特効薬がないため、治療は対症療法になる。」と述べました。

 

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  ヒトメタニューモウイルスは、2001年に発見されたウイルスで、主に冬季から春先にかけて、呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。症状には風邪や肺炎が含まれ、13歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。小児の呼吸器感染症510%、大人の呼吸器感染症24%は、ヒトメタニューモウイルスが原因だと考えられています。

 https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/hmpv/

 

 

  中国では昨年から「原因不明の肺炎」が流行しています。2019年末からの未知の新型ウイルス(Covid19)の流行を想起させますが、中国当局はこの疾患について、インフルエンザ、新型コロナウイルス、通常なら子どもたちに軽い症状しか引き起こさない一般的な細菌である肺炎マイコプラズマなどの、既知の病原体が原因だとしています。

 

  ヒトメタニューモウイルスもその原因の一つのようですが、今大流行しているインフルエンザへの対策同様に、手洗い・うがいの励行、感染したらマスクをし、外出を控えることが大事なようです。


 

参考記事

<徳国之声>“人偏肺病毒感染上升 中国监测不明原因肺炎

https://x.gd/tM0OM