黄大仙の blog

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国際宇宙ステーション終了までカウントダウン 中国の「天宮」が世界で唯一の宇宙ステーションになるかもしれない

FOXニュースによれば、中国は近年、宇宙開発において非常に野心的です。中国との競争に直面して、アメリカは宇宙ステーションの商業化を推し進め、国際宇宙ステーションISS)を軌道から外し、アメリカ企業が開発したものに置き換える準備をしています。 しかし、この構想は、遅延が絶えないアメリカのスペースシャトル計画の二の舞になる可能性があり、中国の天宮が世界で唯一宇宙ステーションとなるのではないかと懸念されています。

  米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。

まもなく中国の「天空」が世界で唯一の宇宙ステーションに?

  『オブザーバー』紙は、NASAのパメラ・メルロイ副長官が最近の会話で再び「ウルフ条項」を持ち出したという報告を引用しています。彼女は、「中国とのいかなる二国間協力も、中国に何らかの利点を与える可能性のある情報が共有されないことを保証するために、議会が2011年に我々に非常に明確な指示を与えたことを理解していただくことが重要だと思います。」と主張しました。

 

  この 「ウルフ条項 」とは、米国航空宇宙局が政治資金を利用して中国政府と直接二国間協力を禁じる法律です。

 

  メルロイ副長官は、中国を「経済的な競争相手」であり「地政学的なリーダーシップをめぐる競争相手」と見ていると宣言しました。

 

  退役の危機に直面している国際宇宙ステーション(ISS)について、メルロイ副長官は、NASAは中国を世界で唯一宇宙ステーションを所有する国にはさせないと主張しました。報道によれば、アメリカは現在、宇宙ステーションの商業化を推進しています。

 

  米国、ロシア、日本、カナダ、ブラジル、その他16カ国が参加する共同プロジェクトとして1998年に建設されたISSは、当初15年の耐用年数で設計されたが、現在まで運用期間が延長され、現在の耐用年数は2031年まで延長されています。

 

  FOXニュースの報道によると、天宮宇宙ステーションを訪れたことがあるのは中国の宇宙飛行士だけですが、中国は他国の宇宙飛行士を受け入れる意欲を示しています。

 

  中国が宇宙に常駐する唯一の国になれば、国際的なパートナーは地球近傍軌道での長期的なニーズを満たすために中国の宇宙飛行士に頼らざるを得なくなり、民間企業も同じようにせざるを得なくなります。

 

  しかし、ロイター通信や他のメディアは当時、厳密に言えば、NASAの宇宙飛行士は中国の招待にもかかわらず天宮宇宙ステーションを訪問することはできなかったと報じています。なぜなら、アメリカの「ウルフ条項」は、自国の宇宙機関が中国と協力することを禁じているからです。

 

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  国際宇宙ステーションISS)は、地上から約400km上空に位置する巨大な有人実験施設です。1998年に最初のモジュールが打ち上げられ、2011年に完成しました。

 

  ISSアメリカ(NASA)、ロシア(ロスコスモス)、日本(JAXA)、欧州(ESA)、カナダ(CSA)の5つの宇宙機関が協力して運用しています。

 

  この施設は、微小重力環境下での科学実験、地球や天体の観測を目的としており、生物学、物理学、天文学などの多岐にわたる研究が行われています。

 

  200011月から宇宙飛行士が常時滞在を開始し、現在は約6ヶ月ごとの交代で運用されています。具体的には、日本は「きぼう」日本実験棟を提供し、さまざまな実験が行われています。

 

  ISSの運用は2024年まで延長されており、2030年までさらに延長されることが決定されています。この延長期間中も、科学的な研究や技術開発の場として利用される予定です。

 

 

 

  中国宇宙ステーション(CSSChinese Space Station)は、中国が天宮計画で2021年より運用中の宇宙ステーションです。

 

  CSSは、中国の宇宙開発計画の重要な一部であり、中国が国際宇宙ステーションISS)に参加できない中で、独自の宇宙ステーションを構築するという戦略的な決定の結果として誕生しました。

 

  天空はモジュール式の設計で構成されており、主なモジュールとして「天和」コアモジュール、2つの実験モジュール「問天」と「夢天」が含まれます。

 

  これらのモジュールは2021年から2022年にかけて打ち上げられ、組み立てられました。総質量は約80トンで、ISSの約3倍のサイズを持つミールに匹敵する規模を持っています。打ち上げには長征5B型ロケットが使用され、計画は順調に進行し、202211月には基本的な組み立てが完了しました。

 

  天宮は、中国が独自に長期間の有人宇宙活動を行うためのプラットフォームであり、科学研究、技術実証、そして教育や国際協力の場として使用されています。科学実験は多岐にわたり、物理学、生物学、材料科学、天文学などが含まれます。

 

  また、天空は中国が宇宙開発の能力を示す手段ともなっており、近年では他国の宇宙飛行士の受け入れも考えています。中国は2030年までに月面着陸を実現するという目標も掲げており、CSSはそのための訓練や技術開発の基盤としても重要です。

 

  天宮は現在も建設と運用が進んでおり、2023年には新たな宇宙飛行士の選抜が完了し、ステーションへの長期滞在やミッションの実施が行われています。このステーションは、2030年にISSが運用終了する際、世界で唯一の恒久的な有人宇宙ステーションとなる可能性があります。

 

  また、中国は天宮の拡張計画も進めており、3モジュールから6モジュールへの拡張を予定しています。これにより、より多くの実験設備や居住空間が確保され、さらなる国際協力を促進する見込みです。

 

  中国は天宮を商業的な機会としても活用しようとしています。例えば、2024年には天宮への宇宙旅行者受け入れを検討していると報じられています。また、国際的な実験の受け入れも始まっており、国連との連携を通じて9つの国際実験が選定されました。これは、中国が宇宙開発を通じた国際協力の一環として、天宮を利用する可能性を広げています。

 

  中国の天空宇宙ステーションは、中国の宇宙開発計画の象徴であり、今後もその発展と運用が世界の宇宙政策や国際関係に大きな影響を与えることが期待されています。

 


 

参考記事

<世界新聞網>际空间站退役倒数 中国「天宫」或成全球唯一

https://x.gd/xuIem