黄大仙の blog

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権利擁護ネットワーク:青海省ゴロクのチベット人村長、母語を守るために迫害され死亡

権利擁護ネットワークが引用したチベット・タイムズ紙の22日の報道によりますと、青海省ゴロク・チベット族自治州ダリ県ホンケ村の村長ゴンポ・ナムギャル氏が、母語を守ったために当局に迫害され、殺害されました。

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

青海省ゴロク・チベット族自治州母語を守ろうとしたチベット人が迫害死

  報道によると、地元村民のケンポ・タンバ・ダジェと村長のゴンポ・ナムギャルは、母語を守るための民衆組織を率いて頻繁に活動し、地元住民に受け入れられていたため、当局の怒りを買っていました。

 

  今年5月、ダリ県当局はケンポ・タンバ・ダジェとゴンポ・ナムギャル村長を含む20人以上を逮捕してゴロク県に拘留し、7ヵ月後、ゴンポ・ナムギャル村長は病気のため釈放されましたが、残念ながら3日後に死亡しました。

 

  報道によると、1218日、ゴンポ・ナムギャル村長の遺体がチャラン僧院天空葬壇に埋葬された際、内臓のほとんどが焼かれていたことが判明したため、残忍な拷問による感電死の結果ではないかとの深刻な疑問の声が上がりました。

 

  ケンポ・タンバ・ダジェはいまだに拘留されたままであり、国民は彼の健康状態についても同様に懸念しています。

 

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  中華人民共和国によるチベット人迫害の歴史は、1950年のチベット侵攻に始まり、政治、文化、宗教、経済の多方面にわたり現在も継続しています。この抑圧の背景には、中国政府による「民族団結」や「社会安定」を掲げた政策の下、チベットの独自性を抑制し、統制を強化する狙いがあると指摘されています。

 

 1950年の侵攻とその影響

 

  1950年、中国人民解放軍チベットに侵攻し、翌1951年に「十七か条協定」を締結しました。この協定はチベットの高度な自治を約束していましたが、実際には中国の中央統制が強化され、チベット政府の独立性は失われました(BBC, 2015)。その後、土地改革や伝統的権威の否定により、多くの僧侶や知識人が投獄され、弾圧を受けました。

 

 文化大革命と宗教弾圧

 

  1966年から1976年にかけての文化大革命期には、チベット仏教の寺院や僧院が破壊され、僧侶は世俗化を強制されました。多くの文化財が失われ、宗教的活動が厳しく制限されました(Human Rights Watch, 2018)。この時期、チベットの文化や伝統は壊滅的な被害を受けました。

 

 1989年のラサ蜂起と武力弾圧

 

  1989年、ラサで大規模な抗議運動が発生しましたが、中国政府はこれを武力で鎮圧しました。国際人権団体によると、この事件で数百人が殺害され、数千人が拘束されました。これにより、チベット人の人権侵害に対する国際社会の批判が高まりました。

 

 言語と文化への抑圧

 

  近年では、教育制度を通じてチベット語の使用が制限され、代わりに中国語教育が推進されています。これにより、チベット文化の同化が進み、若い世代のアイデンティティが脅かされています(Tibetan Centre for Human Rights and Democracy, 2021)。

 

 経済的な差別と移民政策

 

  中国政府はチベットに経済的発展をもたらすとしてインフラ整備や資源開発を進めていますが、これらのプロジェクトの利益は主に漢民族に集中しているとされています。また、漢民族の大量移住が促進され、チベット人は経済的に周縁化されています(The Diplomat, 2019)。

 

 現在の状況と国際的な批判

 

  2009年以降、チベット人による焼身抗議が続いており、その数は150件を超えています。これらは中国政府の抑圧的政策に対する抗議として行われていますが、中国側は「テロ行為」として非難し、さらなる統制を強化しています(Free Tibet, 2023)。国際社会からは中国政府の人権侵害に対する非難がある一方、中国はこれを内政問題として扱い、議論を拒否しています。

 

  少数民族母語禁止による抑圧

 

  中国には多くの少数民族がいます。これらの民族は、それぞれ自分たちの言葉:母語を持っています。しかし、近年、中国政府は少数民族の学校で中国語(北京語)を主に使うよう求める政策を進めています。例えば、内モンゴル自治区では、2020年に学校でのモンゴル語の授業が減らされ、中国語の授業が増やされました。これにより、モンゴル族の人々は自分たちの言葉や文化が失われるのではないかと心配しています。

 

  また、チベット新疆ウイグル自治区でも、同様の政策が取られています。これらの地域では、学校での教育が中国語中心に変わり、子どもたちが自分たちの母語を学ぶ機会が減っています。このような政策は、少数民族の文化や言語を守ることが難しくなると指摘されています。

 

  一方で、中国政府は少数民族の言語や文化を尊重し、保護する方針を示してはいます。しかし、実際の政策や教育現場では、母語の使用が制限されるケースが増えており、少数民族の人々や国際的な人権団体からは、母語教育の重要性を訴える声が上がっています。

 

  以上のように、中国政府によるチベット人をはじめとする少数民族への抑圧は、過去から現在に至るまで一貫して行われています。この問題に対する理解を深め、国際的な関与を強化することが求められています。

 


 

参考記事

<自由亜州電台>维权网:青海果洛一藏族村长因保护母语被迫害致死

https://x.gd/CwACa