マイクロン・テクノロジーは16日、中国の西安で生産を拡大するために約43億人民元(約860億円)を投資すると発表しました。中国政府がサイバーセキュリティー上の深刻な問題があるとして、5月21日にサイバーセキュリーティー審査を不合格にしたと発表したばかりです。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
マイクロン・テクノロジーは微信(WeChat)を通じて、力成半導体(西安)有限公司のパッケージ設備を買収することを決定したと発表し、また、マイクロン西安工場に新工場を建設し、新しい高性能パッケージとテスト設備を導入する予定だとしています。
マイクロン・テクノロジーの製品にサイバーセキュリーティー上の欠陥があるとして、今年3月に中国政府による調査を受け、ブラックリストに載ったばかりで、半導体分野を巡る中国と米国間の争いがエスカレートしていました。
世界第4位の半導体メーカーであるマイクロンの社長兼CEOであるSanjay Mehrotra氏は、マイクロンは中国に根ざしてきた20年間で顧客と築いた深い関係を誇りに思っており、今回の投資プロジェクトは、マイクロンの中国事業と中国人チームメンバーへの揺るぎないコミットメントを示すものだと述べました。
今年3月に中国政府によって開始されたマイクロンへの調査は、中国が2021年にサイバーセキュリティーの規則を強化して以来、外国企業に対する最初の措置であり、近年中国企業がブラックリスト入りしたことに対する中国による最初の報復であると指摘されています。
2022年10月、米国政府は「国家安全保障」の名の下に、中国の「軍事用途」のハイエンドチップの調達と製造を制限する対中輸出規制を発表しました。
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米国が中国に先端半導体の輸出規制をし、中国は米企業マイクロンの製品を輸入禁止にしたりと、米中が制裁の掛け合いをする中、米企業のマイクロンが中国内に工場を増設するというニュースは驚きです。
マイクロンは日本の広島工場にも、今後数年で5000億円の投資を行うと発表したばかりで、中国工場を日本に移設するのかと思ってましたが、そうでもないようです。
参考記事
<rfi>中美关系紧张 美国半导体企业美光科技仍投资中国