黄大仙の blog

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アメリカはウクライナに降伏を迫っているのか?

ホワイトハウスに戻ったドナルド·トランプ米大統領12日、ロシアのプーチン大統領ウクライナの将来について初めて会談しました。欧州連合EU)にとってより心配だったのは、トランプ大統領の国防長官がウクライナに対して示した「レッドライン」でした。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

ウクライナ』を美味しく食すロシア・プーチン大統領

  トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース」プラットフォームで、クレムリンの主人と話をしたと発表しました。彼によれば、それは「長く建設的な対話」だったとのことです。

 

  トランプ大統領は、アメリカとロシアはウクライナに関する交渉を「直ちに」開始することで合意したと述べました。では、この侵略戦争の犠牲者であるウクライナはどこに位置するのだろうか? プーチンとの電話会談後、トランプ大統領ウクライナのゼレンスキー大統領にプーチンとの対話内容を伝えました。

 

  ゼレンスキー大統領によれば、トランプとの話し合いの焦点は 「和平実現の可能性 」で、「我々は、ロシアの侵略を終わらせ、信頼できる永続的な平和を保証するための米国との共通のステップを確認した。」と述べました。

 

  トランプ大統領はその後、プーチン大統領との対話と同様、ゼレンスキー大統領との対話も 「うまくいった 」とし、「ゼレンスキーは平和を望んでいる 」と演説しました。

 

  さらに、ゼレンスキー大統領は今週末に、同じくミュンヘン国際安全保障会議に出席しているバンス米副大統領、ルビオ米国務長官とじっくりと話し合うと付け加えました。

 

  この対話があるまで、トランプ大統領ウクライナに対して具体的に何をするのか? 彼は戦争の「殺戮」をできるだけ早く終わらせたいと言い、バイデン前政権から数百億ドルの援助を受けたウクライナに圧力をかけ続けてきました。

 

  ウクライナのゼレンスキー大統領は、自分を飛び越えてアメリカとロシアがウクライナの運命を勝手に決めることを恐れ、ウクライナの運命を背後で決めることは誰にもできないと以前から表明してきました。

 

  ゼレンスキー大統領は、プーチン大統領との交渉はウクライナ領土からのロシア軍撤退が条件であり、ウクライナが和平と引き換えに国土を売ることは決してないと繰り返してきました。

 

  プーチン大統領の意図は、すでにロシア軍が占領しているウクライナの土地を手放さないこと、そしてウクライナNATOへの加盟計画を断念することです。

 

  ゼレンスキー大統領は最新の声明で、ウクライナが支配するロシアのクルスク地方とロシアが占領するウクライナの領土を交換したいと申し出ましたが、プーチンの報道官はゼレンスキーの考えを不合理だとしています。

 

  ここで明らかになったメッセージは、プーチンは自分の力に自信を持っており、占領しているものはすべて自分のものだということであり、ウクライナがあえてロシアとの土地の交換を主張したことはプーチンを怒らせたということです。

 

  トランプがこの交渉をどのように始め、どのような条件でこの戦争を終わらせるのか、今は知る由もありません。元来、この戦争は侵略戦争であり、侵略者が侵略された領土から撤退することが戦争を終わらせる最善の方法であったが、プーチンのロシアは撤退しないばかりか、永久領有を望んでいるのです。

 

  ブリュッセルを訪れているダグ·ヘグセス米国防長官の12日のコメントもウクライナにとって悪いものだったと述べました。フォックス·ニュースの元ホストはブリュッセルで、ウクライナ2014年の国境線に戻るのは「非現実的」だと述べましたが、NATO加盟31カ国の国防相の前では、アメリカはウクライナの平和と「虐殺」の終結を望んでいると述べました。「 虐殺」を終わらせるにはどうすれば良いのでしょう?

 

  彼によれば、それはウクライナ20142月にロシア軍に侵攻され併合されたクリミア半島と、その後の暴動で実際に東部の親ロシア勢力の支配下にあったドネツクとルハンスクを放棄することを意味します。

 

  2022年のウクライナ侵攻以来、ロシアがケルソンとザポロジエの一部を占領していることは言うまでもありません。

 

  米国の新国防長官のレッドラインは、ウクライナが失われた国境線に戻ることは期待できないという事実とは別に、この条件下でのウクライナのある種の「平和」についても厳格なレッドラインを設定しています。

 

  ある段階でウクライナに平和維持軍が展開される場合、彼らはNATOとは無関係でなければならず、NATO5条によって保護されるものであってはならないとしています。

 

  NATO5条は、加盟国の1国に対する攻撃が認識されれば、それは加盟国全体に対する攻撃とみなされ、他の加盟国は即座に対応することが求められると定めています。また、和平交渉後にウクライナNATOに加盟するのは「非現実的」だとも述べました。

 

  どうやらアメリカの新国防長官の要求は、NATOウクライナに一切関与しないというロシアの要求と一致しているようです。さらに国防長官は、EU諸国は将来的にウクライナの軍事·民生ニーズの「大部分」を保証しなければならないと述べました。

 

  トランプ大統領プーチン大統領の対話とほぼ同時期に行われたブリュッセルでの新米国防長官の発言では、トランプ大統領プーチン大統領との対話を建設的な対話という言葉で表現したことが外交的な発言に近いものであったのとは対照的に、ウクライナに関する新米国防長官の発言はトランプ大統領の本音に沿ったものであったようです。

 

  プーチン大統領と交渉を開始することで合意したというトランプ大統領の発言は、EUをほとんど安心させるものではありませんでした。スペインとドイツの外相、そしてフランスは13日にパリで、ウクライナに関するいかなる決定も、キエフEUの関与なしにはあり得ないと述べました。

 

  フランスのジャン=ピエール·バロ外相によれば、「ウクライナを見捨て、降伏させることは、強者がすべてをむさぼり食う弱肉強食への完全な服従に等しい。」と述べています。

 

  2012年から2014年にかけてアメリカの駐ロシア大使を務めたマイケル·マクフォールは、Xへの投稿で「なぜトランプ政権は、ロシアとの交渉を始める前に、プーチン大統領ウクライナの領土とNATOへの加盟拒否という贈り物をするのか? 私はかつてロシアと交渉していたが、ロシアにタダで何かを与えるべきではない。」と批判しました。

 

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  ロシア占領領土割譲によるウクライナ戦争終結案の批判

 

-ウクライナ戦争はロシアが始めた侵略戦争であること

  ウクライナ戦争は、2022224日にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始したことで始まりました。これは明らかな侵略行為であり、国際法に反しています。

 

  ロシアのこの行動は、国連憲章に明記された国家主権尊重原則や非侵略の原則を無視したものであり、国際社会から強い非難を受けている。

 

-ロシアは安全保障常任理事国なのに、武力による現状変更を試みたこと

  ロシアは国連安全保障理事会常任理事国であり、その立場から国際平和と安全の維持に責任を負っている。しかし、ロシアのウクライナ侵攻は、国際平和を乱すだけでなく、武力によって現状を変更しようとする行為であり、国際秩序の基礎を揺るがしています。ロシアの行動は、特に国連安保理常任理事国としての信頼を失わせ、国際法や多国間主義の尊重に対する挑戦とも言えます。

 

 

 

  道徳的·法的な問題: ロシア占領領土の割譲は、侵略者が侵略の結果を得ることを容認するという道徳的問題を引き起こします。これは、国際法が現状変更を認めることで、他の国家にも類似の行動を促す可能性があります。さらに、ブダペスト覚書(1994年)においてウクライナの領土保全と主権を保証したロシアが、その約束を反故にしていることに対する批判も強いものがあります。

 

  安全保障上の懸念: ロシアに領土を割譲することは、長期的に見てセキュリティリスクを増大させる可能性があります。例えば、ウクライナが領土を失うことで、NATO加盟の必要性を感じ、さらなる地域の緊張を招くかもしれません。

 

  国際秩序への影響: もしこのような割譲が認められるならば、国際社会の秩序は大きく揺らぐ。国家間の紛争解決は平和的手段で行われるべきであり、武力による領土取得が容認されると、他の地域でも紛争が増える可能性があります。

 

  ウクライナ国民の権利と主権: この提案は、ウクライナ国民の自決権と主権を無視している。占領地域の住民はロシアの支配下で生活を強いられることになり、その人権問題も看過できません。

 

  歴史的背景と教訓: 過去の戦争や侵略から学ぶべき教訓を無視する行為です。例えば、日露戦争後のロシア革命やその後のソ連の崩壊から、ロシアの帝国主義的な行動がもたらす国内外の混乱を再認識する必要があります。

 

  以上のように、米露対話におけるウクライナ戦争終結案は、道徳的、法的な問題から安全保障、国際秩序への影響まで広範囲にわたる批判を招く。特に、ロシアが侵略行為の成果を得ることは、国際法と平和的解決の原則に反するものであり、決して容認されるべきではありません。

参考記事

<rfi>美国是否在迫使乌克兰投降?

https://x.gd/jh6FW