米国の電気自動車大手テスラは、上海ギガファクトリーのバッテリー組み立てラインで働く作業員の一部をレイオフすると噂されており、従業員の50%以上にあたる数百人程度が削減される見込みです。今週初めにはすでにバッテリー組み立てラインのスタッフに通達を始めているが、車両製造に関連するポジションは影響を受けていないとのことです。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
ロイター通信によると、テスラ従業員が何名解雇される可能性があるのか 、また解雇の背後にある具体的な理由は明らかではなく、テスラはコメントの要請には応じていないとのことです。
約2万人を雇用するテスラの上海ギガファクトリーは、年間約100万台の電気自動車を生産し、テスラの世界生産の半分以上を供給しています。
テスラはLGエナジーと寧徳時代のバッテリーを使用していますが、車両に搭載する前にバッテリーモジュールやパックに組み立てる必要があり、その工程の多くは、テスラのバッテリー生産ラインで行われています。
今年6月、テスラのイーロン・マスクCEOは同社幹部に電子メールを送り、世界的な雇用停止と10%のレイオフを発表しました。
昨年、テスラは中国で43万9770台の新車を販売し、37.1%の伸びを示しました。今年は伸びが鈍化したものの、それでも第1四半期は前年同期比21%増の22万9300台を記録し、上半期、輸出を含むテスラの中国での販売台数は46万4,000台で、世界販売台数88万9,000台の半分以上に貢献しました。
テスラ内部関係者は、「以前はテスラ上海の組み立て電池はまだ海外に供給できたが、今は輸出ルートが米国によって封鎖され、注文が削減され、電池工場は従業員をレイオフしている」と述べています。
微信のアカウント「十方智行」によると、テスラはバッテリー組み立て関連の作業員のレイオフを始めており、バッテリー組み立ての第一段階の従業員の半分以上が解雇されました。
内部の作業員が明らかにしたところによると、今回のレイオフに対してテスラから与えられる退職補償金は一般的に「N+3」(実務経験月数+3)ヶ月分とのことです。
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レイオフはバッテリー組み立てラインだけなので、上海ギガファクトリーの従業員2万人のうち、対象となるのは1000人にも満たないとのことです。
テスラが上海でのバッテリー組み立てを減産する目的は、米国の補助金にありそうです。
米国のルールでは電池の50%の部品を北米で生産すると1台あたり3750ドル(約52.5万円)受け取ることができます。
さらに電池の原材料の40%を、米国または米国と自由貿易協定を結んでいる国から調達すると、追加で3750ドル(約52.5万円)の補助金を受け取ることができ、この二つの条件を満足できれば、テスラは100万円以上安く販売することができます。
今後、テスラのバッテリー生産の米国回帰が進むかもしれません。
参考記事
<世界新聞網>上海特斯拉传将裁员超过50% 涉及数百人