中国国家統計局:2024年の中国GDPは前年比5%増 人口は139万人減少
中国国家統計局は17日、2024年の国内総生産(GDP)が134兆9084億元(約2880兆円)で、前年比5.0%増となる経済データを発表しました。四半期ベースでは、GDPは第1四半期が前年同期比5.3%増、第2四半期が4.7%増、第3四半期が4.6%増、第4四半期が5.4%増となりました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
国家統計局は、習近平総書記を核心とする党中央委員会の強力な指導の下、漸進的な政策パッケージが適時に展開され、「社会的信頼の効果的な後押し、明白な景気回復、経済社会発展の主要目標と課題の成功裏の完遂を促進した 」と述べました。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、中国が2024年までにGDP成長率約5%という目標を達成したことを公式数字が示していると報じました。これは、長引く不動産危機が世界第2位の経済大国に重くのしかかり続ける中、ここ数十年で最も低い成長率です。
本紙は先日、中国の昨年通年の人民元建て新規融資額は18兆900億元(約403兆円)で、前年比4兆6600億元(約99兆円)以上減少し、年間では13年ぶりの減少となったと報じました。昨年の社会融資の増加額は32兆2600億元(約688兆円)で、こちらも前年比3兆3200億元(約71兆円)の減少でした。中国経済は楽観できないのです。
国家統計局は人口統計も発表しており、それによると年末の人口は14億828万人で、前年末より139万人減少しました。年間出生率は1,000人当たり6.77人、死亡率は1,000人当たり7.76人、自然増加率は1,000人当たり-0.99人でした。男女比は、男104.34対女100。
男女比は、男104.34対女100。年齢構成では、16歳から59歳までの人口が60.9%、60歳以上の人口が22.0%、65歳以上の人口が15.6%です。
2024年末には、中国の60歳以上の人口は3億1,031万人に達し、初めて3億人を超えました。
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中国の前年度GDPの集計とその信頼性。
通常、先進国や多くの市場経済国家では、前年度のGDPの確定集計には相応の時間がかかります。例えば、米国では前年度のGDPデータが確定するまでに3ヶ月から6ヶ月程度かかることが一般的です。これは、経済活動のデータを収集し、統計的な調整や修正を行い、最終的な数値を確定させるための時間が必要だからです。日本でも同様に、経済産業省や内閣府が前年度のGDPデータを確定させるまでに数ヶ月を要します。
中国の場合、2025年1月17日現在、2024年度のGDPが年が変わってわずか2週間足らずで発表されたという事実があります。これは、通常の国家の統計発表のスケジュールと比較して非常に迅速であり、疑問を抱かせる要素となっています。中国の統計局は、国家の規模や経済活動の複雑さを考慮すると、より長い期間を要するはずです。
中国のGDPデータに対する信頼性の問題は、国内外のエコノミストや専門家からも長年指摘されてきました。具体的には、以下の点が挙げられます:
不透明さ: 中国の統計データは、政府による厳格な管理下にあり、透明性が欠けていることが多いです。そのため、データがどのように収集され、処理されているかが不透明です。
数値の信頼性: 過去には、中国の公式GDP成長率が実際の経済活動と乖離しているとの見解が示されてきました。例えば、著名なエコノミストが、公式発表の数値が実際の経済成長を過大評価していると公言しています。
政治的影響: 中国では、GDPデータが政治的な目標達成のために操作される可能性があるとされており、これも信頼性に影響を与えます。特に、党大会や重要な経済政策の発表前後では、GDPデータに異常な変動が見られることがあります。
中国の前年度GDPが極めて短期間で発表されることは、通常の統計手続きやデータの信頼性確保の観点から見て異常であり、統計の正確性や透明性に対する疑念を深める結果となっています。国際社会や経済分析者にとって、中国の統計データを信頼するには、その背景やデータ収集のプロセスを詳細に理解する必要があります。中国の統計データを評価する際には、慎重なアプローチが求められます。
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参考記事
<自由亜州電台>统计局:2024年中国GDP同比增长5% 人口负增长 总量减少139万人