新型コロナ肺炎の大流行で影が薄くなった米中貿易戦争。
第一段階の合意が2月14日に発効されてから3ヶ月。
発効後初の電話会議が5月8日に開催、結果は?
米中貿易戦争が遠い昔のことのように思ってる人も多いでしょう。
第一段階の合意? 何それ、美味しいの?
こう思っている人のために簡単におさらいしておくと、
2018年から続く米中貿易戦争の合意点を見つけるため、
2020年年明けに中国の劉鶴副少将が渡米し、
米国通商代表部とカンカンガクガクの大議論を続けました。
議論は踊れど進まずの状態が続くも、
1月15日にようやく第一段階の合意への署名に至りました。
合意内容は、大体以下の通りでした。
中国は今後2年間に米国製品やサービスの購入を2000億米ドル増やす。
米国は第4段で引き上げた関税の税率を7.5%に引き下げる
第1-3段の関税は据え置く。
中国の合意履行を毎月検証する。
今見返してみても米国の圧勝と言える内容ですね。
人民日報や環球時報は中国内で、中国の圧勝だと報じてたんですけどね。
米中貿易協議の第一段階の合意は、
2月14日に実行されていますので、もう3ヶ月経ちました。
日本を始め世界中が新型コロナウイルスに翻弄され、
それどころじゃない状況だと思ってたのですが、
5月になってトランプの発言から急遽電話会議が行われたようです。
アメリカに拠点を置く中国語ネット[新唐人電視台]と
ドイツに拠点を置く中国語ネット[徳国之声] が伝えていました。
(徳国は中国語でドイツのこと)
[新唐人電視台]川普警告撕毀中美協議 劉鶴緊急通話
拙訳
[新唐人電視台]トランプ米中貿易合意の破棄を警告
[徳国之声]美中贸易代表通话 盼落实第一阶段协议
拙訳
[徳国之声]米中貿易代表電話会談 第一段階協議の実施が待たれる
米中貿易協議の第一段階の合意は2月14日に発効されましたが、
米中両国とも新型コロナ対策に忙殺され、
特に中国は早々と鎖国状態に入っていたため、
米国製品の購入という合意は履行されていなかったようです。
5月に入り、トランプ大統領が不満を表明し、
このまま履行しなければ合意を破棄すると発言したことから、
5月8日に米中の電話会議が開かれました。
米国側はUSTR代表ライトハイザーと財務長官ムニューシン、
中国側は劉鶴副首相がが参加しました。
電話会議の後に米中ともに声明を発表しています。
米国:USTRと財務省の共同声明
「米中は現在全世界が衛生上の緊急事態にあるが、両国は合意が規定する義務の適時履行を期待することに同意した。」
中国:人民日報
「中米第一段階の経済貿易合意を実施するための好ましい雰囲気と条件とを作り出し、前向きな結果取得を推進の努力をする。」
どちらも持って回った言い方なので、
真意を掴みかねるのですが、
内容が微妙に食い違うように感じるのは和谷氏だけでしょうか?
米国側は、履行に同意したんだから早く履行しろ(アメリカ製品を買え)、
中国側は履行の前にやることあるでしょ(好ましい雰囲気と条件とを作り出し)、
中国の言ってる”雰囲気と条件”は、推測ですが、
”新型コロナウイルスを中共ウイルスと呼ぶな、発生源は武漢というな、賠償要求をするな”
ということだと思われます。
新唐人電視台や徳国之声の記事にもありますが、
米中貿易協議の先行きが暗いと見る隙者もいるようです。
アメリカはゴリ押しする国だし、
中国共産党は、あっさり引く政権ではありません。
最悪の結果にならなければいいのですが。。。。
日本のことばかりでなく世界のニュースにも触れていかないと、
いつの間にか望まない状況に巻き込まれてしまいますね。
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