中国で2名のカナダ人が起訴された。
その数日前にカナダの裁判所は、
ファーウェイCFO孟晩舟の身柄引渡し案件の審理再開を決定した。
カナダの首相と外相は「人質外交」だと中国を非難
中国は法治国家で、司法は独立していると主張。
中国とカナダの避難合戦が続く。
最近の中国は色々な国々と衝突しています。
米中貿易戦争、中印国境紛争
新型肺炎ウイルスの起源問題では、
オーストラリアと対立し、
「戦狼外交」展開中です。
そして今度はカナダとの対立が始まりました。
と言っても突然始まったわけではなく、
といえば何となく記憶の片隅に残っているでしょう。
簡単におさらいしておくと、
ファーウェイは中国の「民間企業」で、
短期期間で通信機器の世界トップの企業に上り詰めたメーカーです。
そのファーウェイが次世代通信規格である5G規格の主導権を握ろうと
攻勢を掛けたのですが、それが気に入らないトランプ大統領から、
アメリカの技術を盗んんでいる、
難癖をつけられていました。
その最中の2018年12月にファーウェイCFO孟晩舟が、
トランジットでカナダの空港に着いたときに、
カナダ当局に拘束され、
アメリカに引き渡すかどうか裁判にかけられた事件です。
中国政府はこの件に猛反発して、孟晩舟が拘束された数日後に、
中国に滞在していた2人のカナダ人をスパイ容疑で逮捕しました。
6月に入って逮捕した2人のカナダ人を起訴しました。
中国国内の百度新聞(Yahoo Newsのようなもの)の記事から
[原題]<百度新聞>中国报复加拿大?官方回应
記事の日本語訳はこのブログの最後に掲載しています。
この記事は中国メディアのニュースなので、
中国側の主張を強く表しています。
中国側は2人のカナダ人の起訴について、
これは孟晩舟事件の報復ではない、と繰り返しています。
「中国は法治国家であり、司法は独立している。」
との言葉が色々な立場の人から発せられています。
この言葉の意味は、司法は独立しているので、
2人のカナダ人の逮捕·起訴は中央政府の圧力で行われたのでは無い
と説明しているわけです。
孟晩舟の件とは関係ないと言うことですね。
カナダはこれを「人質外交」と非難しているのですが、
中国外交部はハッキリと「人質外交」では無いと否定しています。
カナダは
「中国は法治国家だが、その法は中国共産党の指導を受けている」
と皮肉っています。
最近、中国はオーストラリアとの対立でも
オーストラリア人に死刑判決を下しています。
過去には、日本と対立した時にも
日本人をスパイ容疑で逮捕勾留しています。
中国は外交的に対立するとすぐに相手国の人を
逮捕勾留してきているので、
人質外交だと言われても仕方ないでしょう。
カナダ側の主張を反映した記事と合わせて読んでいただくと
主張の違いがハッキリと理解できます。
<rfi>中国2人のカナダ人を起訴 孟晩舟拘束への報復 海外中国語ニュース - 黄大仙の blog
中国側はカナダが中国とは違う主張をしていることに対して、
「マイク外交」と避難しています。
マイク外交とは、「相手の言うことを聞かずにお互いが、マイクに向かって聴衆相手に喋るだけのパフォーマンス外交のこと」です。
中国とカナダは、「人質外交」「マイク外交」とお互いの姿勢を避難し合っているわけです。
孟晩舟は民間企業ファーウェイのCFOに過ぎないのに(と中国は主張)、
中国が国家を挙げて必死に助けようとしているのは不思議ですね。
孟晩舟がアメリカに引き渡されたら、
よっぽど困ることがあるのでしょう。
拘束された時に孟晩舟は、7冊のパスポートを持っていたそうですし、
7冊ともに中国政府や香港政府から発行された正規のものだったと伝えられています。
何でこんなことができるのか考えたら、これも不思議ですね。
カナダの裁判所で判決が出るのは来年夏とのことですので、
それまでにも中国カナダ双方が色々な手を打ってくるでしょう。
こちらからも目が離せないようです。
[百度新聞]ファーウェイCFO孟晚舟は釈放されて帰国するのか
ファーウェイ排除に日本も追随 米中対立に参戦 中国の反応は? - 黄大仙の blog
[多維新聞]日本は米国に続きファーウェイなど中国の通信事業者を排除
+++中国側の見解+++
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[原題]<百度新聞>中国报复加拿大?官方回应
[邦訳]<百度新聞>中国がカナダに報復?公式に回答
6月20日、中国駐カナダ大使館の報道官は、マイケル·コブリグ(Michael Kovrig)、マイケル·スペーバー(Michael Spavor)起訴事件について話した。報道官は、カナダ首相とカナダ外相は、中国が法に依りマイケル·コブリグ、マイケル·スペーバー起訴事案を処理したことに、あれこれとデタラメを言うので、中国はこれに対して強い不満と断固とした反対を表明したと述べた。
報道官は、カナダは「マイク外交」(*)を試み、徒党を組んで中国に圧力をかけることは、完全に徒労に終わるだろうと述べた。
(*)マイク外交:両国間の意思疎通が不足し、相手の言うことを聞かずにお互いが、マイクに向かって聴衆相手に喋るだけのパフォーマンス外交のこと
以下は全文:
6月19日、カナダ首相とカナダ外相は、中国が法に依りマイケル·コブリグ、マイケル·スペーバー起訴事案を処理したことに、あれこれとデタラメを言うので、中国はこれに対して強い不満と断固とした反対を表明した。
中国外交部報道官は、マイケル·コブリグ、マイケル·スペーバー起訴事案の最新の進展についての中国の立場を説明した。法に依る審査を経て、6月19日に北京市人民検察院第二分院は、「外国のために国家秘密·情報を探った罪」により、カナダ籍被告人マイケル·コブリグを起訴して、北京市第二中級人民法院に送致した。同日、法に依る審査を経て、遼寧省丹東市人民検察院は、「外国のために国家秘密を探り、違法に提供した罪」により、カナダ籍被告人マイケル·スペーバーを起訴して、丹東市中級人民法院に送致した。2人の犯罪事実は明らかであり、証拠は確実で、十分で、刑事責任を追及されるべきであると述べた。
中国外交部報道官はさらに、中国は法治国家である。中国の司法機関は法に依り事案を処理する。中国は、如何なる国家や組織が如何なる手口によっても中国内政や中国の司法主権に干渉することに断固として反対する。カナダは、中国がいわゆる「恣意的に」カナダ人を逮捕勾留したと根拠なく避難し、カナダは「マイク外交」を試み、徒党を組んで中国に圧力をかけることは、完全に徒労に終わるだろう。中国はカナダに対して、無責任な発言をすぐに止め、中国の司法主権を確実に尊重し、如何なる方法を持ってしても、中国が法に依って事件を処理することに干渉しないように促したと改めて強調した。
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中国の駐フランス大使館ウェブサイトの情報によると、中国の元駐カナダ大使で現駐フランス大使盧沙野は、フランス24のインタビューにおいて、中国は法治国家であり、司法の独立を尊重している。中国は一貫して法に基づいて行動し、報復のためではないと述べた。
インタビューで、フランスの記者は、「金曜日に中国はスパイ容疑で18ヶ月拘束されていた2名のカナダ人を起訴した。カナダは、これはカナダがアメリカの要請に基づいてファウェイ最高財務責任者孟晩舟の引渡し審理を実施したことに対する報復であると考えている。中国はカナダに対してこのように圧力をかけているのか?」と質問した。
これに対して盧沙野大使は、私はカナダに対して深く友好的な感情を抱いており、この国とその国民を深く愛している。私がカナダで出会った人は皆フレンドリーで誠実であり、たくさんの友人ができた。私はカナダ外務省の同僚と非常に親密で友好的で定期的な連絡を維持している。孟晩舟事件の後も我々は、この問題について激しい対立を起こすことはあるが、それはそれぞれの国の利益と政府の立場を守ることであると私たちは知っている。会談の後も我々は友人である。中国人は有る2人の人物によってカナダに深い友情を感じている。1人はノーマン·ベチューン医師、もう1人はトルドー首相である。彼ら2人は中国とカナダ両国民間の友好関係を促進するのに重要な貢献をしてきた。孟晩舟事件について、これはカナダ政府が犯した重大な間違いだと思う。 両国の関係が影響を受けたのは残念だ、と述べた。
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盧沙野大使は、中国が2人のカナダ人を起訴したことと、孟晩舟事件のことは無関係だ。中国は法治国家であり、司法の独立は尊重されている。我々中国は一貫して法に基づいて行動し、報復のためではない、と述べた。
19日に中国外交部趙立堅は、2人のカナダ人マイケル·コブリグ、マイケル·スペーバーの起訴に関連した外国メディアの質問に集中して回答した。
その中でカナダ<グローブ·アンド·メール>紙記者は4回質問し、最後の1回で、「人質外交」に対する中国の立場はどうなっているのかと尋ねた。
これに対して趙立堅は、これは悪意に満ちた質問だ。私はすでに中国の立場をハッキリと述べた。あなたはカナダ政府に「人質外交」とは何かを尋ねた方が良いと回答した。
<百度新聞>中国报复加拿大?官方回应
*ttp://news.sina.com.cn/o/2020-06-18/doc-iirczymk7755652.shtml
+++中国側の見解+++
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