北京で蔓延する新型コロナウイルス
北京で採取されたウイルスが変異していることが発見された、
D614G変異株と呼ばれる突然変異株は、
感染能力が数倍高いとの研究結果が出された。
北京は第二の武漢となるのか?
感染力を増したウイルスは再び世界に広がるのか?
日本では緊急事態宣言も完全に解除されました。
日常生活も次第に以前の状態に戻るにつれ、
新型コロナへの恐怖も忘れられていく感があります。
しかし世界的に見れば感染者は1000万人に迫る勢いで、
流行は今まさに拡大中の状況です。
中国の北京でも今月に入って11日に
2ヶ月ぶりの新規感染者が見つかって以降、
連日感染者が見つかり累計感染者数も増え続けています。
(24日現在累計850名 治療中257名)
そんな中、気になる記事を見つけました。
アメリカのニューヨークに拠点を置く中国語メディアの多維新聞に、
新型コロナウイルスに突然変異が見つかったと言う記事が掲載されました。
<多維新聞>【北京疫情】中国发现新冠病毒基因突变 传染力或暴增
日本語に訳したものをこの記事の最後に掲載しています。
北京で採取された検体で、ウイルス遺伝子配列に突然変異が見られ、
この変異は新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(Sタンパク)に影響を与え、感染力が強まったと言うことです。
ネットで検索したところ、上記の情報を見つけました。
変異したSタンパクとは図のS Proteinのことで、
コロナウイルスの特徴である表面の突起のことなんですね。
このSタンパクがヒト細胞の受容体と作用して細胞内に侵入し、
ウイルスが人に感染することになるのですが、
変異後のSタンパクは感染力が数倍になるそうです。
Sタンパクが変異した新型コロナウイルスは、D614G株と言うのだそうですが、
D614G株は新型コロナウイルス全体に占める割合がだんだん増加して、
5月には新型コロナウイルスの70%がD614G株だったと言う研究結果もあるそうです。
感染が世界に広がっていくうちにSタンパクが変異して、
感染力が強まり、さらに感染が広がった。
と言うことのようです。
再流行が始まったばかりの北京は、感染力が強くなった新型コロナウイルスです。
大丈夫なのでしょうか?
記事では専門家の意見として、
「今回の流行は発見が非常に早く、対策がとても有利で、拡散拡大に対して有効に対策したため、流行全体を管理可能である」
心配は要らないと言っているのですが、
記事前半ではウイルスの変異で感染力が強くなったと言っていながら、
後半では有効に対策したので、流行は管理され終わりに向かっている、
となっていて、少しまとまりのない感じがします。
毎日の新規感染者数のデータを見てみると、
確かに11日に急激に増えた後は、右肩下がりで落ちてきているので、
感染は収束に向かっていると言えそうです。
ウイルスの突然変異と言っても、
大騒ぎするほどのことではないようです。
でも何となくしっくりこないのですが、気のせいでしょうか?
何か隠された秘事があるような気がするのですが。
もう少し情報を集めてみます。
+++++多維新聞記事+++++
[原題]<多維新聞>【北京疫情】中国发现新冠病毒基因突变 传染力或暴增
[邦訳]<多維新聞>【北京流行状況】中国が新型コロナウイルス遺伝子の突然変異を発見。感染力が爆発的増加
<<原文のURLは下にあります>>
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北京での新型コロナ(COVID-19)感染症の新しいラウンドが注目を集めている。中国国家疾病センターは6月18日ウイルス遺伝子配列データを発表し、11日に採取された3つの検体でD614Gに突然変異があったことを発見した。
中国メディア財新網の6月23日の報道によると、D614G変異株は2月初にヨーロッパに広がり、他の地域でも瞬く間に支配的な株となった。
研究者の統計によれば、D614G株がCOVID-19に占める比率は、年初0%、3月に26%、4月には65%に増え、5月には70%に達し、D614G株が世界のウイルス株の主流になった。
研究では、D614G株は古い株に比べて感染力が高い可能性があることを示している。
アメリカのスクリップス研究所ウイルス学者Hyeryun Choeのグループは、ACE2を発現するヒト胚性腎細胞の細胞系hACE2-293T中に、スパイクタンパク質(Sタンパク)がD614G変異を出現させたウイルスは感染力が約9倍に高められている。
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新型コロナウイルスはSタンパクを利用して宿主細胞に侵入するが、Sタンパクと侵入細胞の主要な受容体ーアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)と高い親和性を持っている。ACE2も新型コロナウイルスが細胞に侵入する際の主要な受容体である。
さらに、ニューヨークゲノムセンターのNeville E. Sanjanaのグループは、ウイルスとヒト肺上皮細胞などの細胞株の研究からD614G変異の発現は、ウイルスの細胞感染能力を2.4から7.7倍に高めることを発見した。
しかし報道では、2つの研究はまだピアレビュー経て発表されていないために、D614G変異が新型コロナウイルスに感染力や毒性を強めているのかどうかは、さらに多くの臨床データが必要であると指摘した。
6月11日以降北京は再び流行を拡大し、感染確認された多くの患者は新発地市場と関係があり、6月22日までに報告された感染確認例は累計249例である。遼寧、四川、河北、浙江と天津など5省市も病例の発生が続いている。
北京での流行の傾向について、中国疾病予防管理センター副主任馮子健は6月22日に、現在見られる疫病流行から、病例数、感染確認数、新たに報告された発病時期、発生曲線、病例構成、発生源の分析を行い、新発地市場で暴露された人の発生率は終わりに近づいていると述べた。
馮子健副主任は、新たに発生しているいくつかの症例は、主に新発地市場で直接に暴露した人々がコミュニティーに持ち帰り、さらに感染させたが、感染レベルは非常に低い。今回の流行は発見が非常に早く、対策がとても有利で、拡散拡大に対して有効に対策したため、流行全体を管理可能であると述べた。
<多維新聞>【北京疫情】中国发现新冠病毒基因突变 传染力或暴增
https://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/3-06212020105659.html
+++++多維新聞記事+++++