10月13日から17日の日程で北京で開かれている第13期全国人民代表大会常務委員会第22回会議で、「個人情報保護法」が審議されています。草案では、国家機関は、法令もしくは行政規則の定めがある場合、個人情報を他者に開示または提供することができるとされ、中国共産党によるWeChatなどのアプリを使った個人情報収集が一段と加速するのではと危惧する声もあります。
個人情報保護法の草案では、個人情報処理活動において遵守すべき原則をさらに明確にしています。
個人情報の処理ルールを改善する。
個人の情報処理活動における個人の権利を保障する。
個人情報処理者の義務の強化。
個人情報保護に関する監督責任を明確にし、厳格な法的責任を定めます。
不正に収集された個人情報データは、仕分けされて値付けされ、最終的には様々な金融機関、融資仲介業者、教育訓練機関、不動産会社、リフォーム会社などの需要家に販売されます。
この中には詐欺を行う者もいて、不正に個人情報を盗まれた被害者が、詐欺の被害にも遭遇することも少なくありません。
個人情報漏洩の経路として最も多いのは、WeChatやTikTokなどの各種モバイルアプリで、このようなアプリによってブラック企業が個人情報にアクセスしやすいのが特徴です。
アプリを使っていると、カメラや位置情報の許可を強制されたりすることが多いですが、その裏には、アプリが勝手に必要な範囲を超えて個人情報を収集したり、過剰な許可を求めたりする「罠」があります。
草案には、「国家機関は、法的義務を果たすために個人情報を処理することがある。 法令もしくは行政規則に別段の定めがある場合、または本人の同意がある場合には、国の機関は、その機関が処理する個人情報を他者に開示または提供することができる。」とあります。
識者の中には、中国共産党がWeChatなどのモバイルアプリを使って中国国民を監視していることが、海外のWeChatユーザーの監視を含めてさらに合法化され、集団的に国家的な行動になることを危惧している人もいます。
中国では13日から17日の日程で個人情報保護法の審理が行われていますが、同時期の10月15日には、アメリカの連邦地裁でTikTokとWeChat禁止命令の保留をめぐる申し立ての審理が行われます。
どちらの審理もどのような結果になるのか注目に値します。
参考資料 *>s
<腾讯网>个人信息保护法草案首亮相
http*://bit.ly/33WvL57
<自由亜州電台>中国微信审查将进一步合法化?美微联会被质疑非法筹资
http*://bit.ly/372JFol