10月10日にアメリカのトランプ大統領とカナダのトルドー首相が電話で会談したと報じられました。中国で拘束されている2人のカナダ人について話し合われました。拘束中の2人のカナダ人は、ファウェイCFOの孟晩舟がカナダで拘束された直後に逮捕されました。
ファウェイCFOの孟晩舟がトランジットのためにカナダの空港に着いた時に、カナダ当局に身柄を拘束されたのは2018年の12月のことでした。
その数日後に中国に滞在していた2人のカナダ人がスパイ容疑で逮捕されました。
中国による報復逮捕に対しては、カナダの元政府高官など19名が連名で「孟晩舟を解放すべき」との書簡をトルドー首相に送りましたが、トルドー首相はこれを拒否し中国政府との交渉を続けていました。
この時のトルドー首相の名言が以下のとおりです。
「中国であれ他の国であれ(カナダ)政府に政治的圧力をかけて思い通りのことをさせるには、少数のカナダ人を無作為に拘束しさえすればいいと中国に示すことになる。」「国外に居住したり、旅行したりする何百万人ものカナダ国民を危険にさらすことになる」
トルドー首相の毅然とした態度は拍手喝采します。新たな被害者を出さないためには、このような毅然とした態度が必要だと思います。とは言っても拘束された2人のカナダ人の安否も気になります。
中国に拘束されているのは、ビジネスマンのマイケル・スペーバー氏と元カナダの外交官であるマイケル・コブリグ氏の2人です。
逮捕容疑は中国の国家機密を国外に持ち出そうとしたとのことですが、孟晩舟の拘束に対する報復だというのが欧米諸国の味方です。
逮捕直後からカナダ政府は中国政府に対して釈放するように要求を出し続けています。
今年10月にはカナダの駐中国大使であるドニミックバートンが、ビデオ方式ではありますが2人にそれぞれ面会したとの報道もありました。面会は今年1月以来のことです。
2019年1月初旬にアメリカ政府は、中国政府が2人が逮捕する時に違法行為があった(詳細は不明)と発言し、トランプ大統領とトルドー首相は2人の釈放を求めて戦い続けることで合意したと伝えられています。
10月10日の電話会談でも戦い続けることを確認したのだろうと思いますが、香港人権法委やウイグル人権法など、アメリカによる中国共産党制裁は手を休めることがありません。拘束されているカナダ人を解放させるために強便な手段が話し合われた可能性も否定できないでしょう。
日本ではほとんど報じられない事件ですが、中国による外国人拘束は表面に出ているだけでもたくさんあり、死刑判決も珍しくありません。親中派ほど被害に遭いやすいという都市伝説もあります。これから中国に行く人は気をつけましょう。
参考資料
<美国之音>特朗普和特鲁多电话讨论中国拘禁两名加拿大公民一事
http*://bit.ly/3lBtvX5