中国の統計局の発表では、第2四半期の経済成長率は3.2%増、第3四半期は4.9%増と加速しています。それなのに、今年大学を卒業した874万人のうち、3分の2にあたる590万人が仕事が見つからずに失業中との報道がありました。
アメリカに拠点を置く中国語メディアの希望之声の報道によると、2020年9月の中国の20~24歳の失業率は1年前よりも4%高くなっているそうです。
中国人民大学が発表した民間調査では、今年第三四半期の若年層の求人数は、昨年同期比で5%減少したのに対して、求職者数は約20%増加したそうです。
失業率が昨年よりも増加しているのは、コロナ不況が続く中では当然と言えるかもしれません。
他国に比べて回復が著しいと言われる中国経済ですが、失業率から見ると、まだ厳しい状況が続いています。
求職の内訳を見ると、営業職を希望する人がが最も多くなっています。それに対してITやハードウェアの技術職は少ないそうです。また、民間企業よりも国営企業を希望する求職者が多くなっています。
日本でも不況の時には、公務員や大企業への就職希望が増えるそうですが、中国も同じ傾向を示しています。
興味深いことに、中国ではコロナウイルスの蔓延を抑制するために 人手が必要とされるにつれ、「ソーシャルワーク」の求人が大幅に増加し、第3四半期には前年同期の7倍以上になりました。
中国では大学卒業生の就職難は、新型コロナの影響だけとは言えず、昨年までの3年間の大学卒業生約2500万人のうち、500万人がいまだに就職できずにおり、失業率20%となっています。
今年の調査でも今年の大卒者874万人のうち、590万人が今年6月末時点で就職できていないことが判明しており、状況はますます悪化しています。
中国は9月入学6月卒業なので、就職先が見つからないまま卒業してしまった人が、卒業生の3分の2もいたことになります。
中国政府の公式発表では、都市部の失業率は2月の最悪期で6.2%、その後8月5.6%、9月5.4%と改善しているとなっているのですが、大卒者の状況を見る限りでは疑いたくなります。
中国に語学留学してそのまま中国に就職しようとする日本人の若者も少なくありませんが、厳しい状況はまだ数年は続く見込みなので、心して就職活動をしないと夢破れて帰国する羽目になりますよ。
参考資料 *>s
<希望之声>中国今年874万大学毕业生590万失业
http*://bit.ly/3odg95B