北京は露店に関する新しい規制を導入し、特別な事業活動のために公共スペースを一時的に占有することを許可しました。「特別な事業活動」って何でしょう?それは露店です。新しい「露店」は従来の混沌とした露店ではないと北京しは主張しています。
今年5月末に行われた両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)では、世界的に注目を集めたのは香港国家安全維持法制定でした。
しかし中国の庶民にとっては李克強首相の発言が注目されました。
一つは中国内には月1000元(1万5千円)以下で暮らす貧困層が6億人もいること、もう一つがコロナで痛めつけられた中国経済を立て直す起爆剤として露店を推奨したことです。
5月の全国人民代表大会での政府活動報告では、内需拡大戦略、貧困脱却、雇用の安定・民生の保障のような語句が並び、経済成長に陰りが見えた中で、米中貿易戦争で叩かれ、新型コロナの影響でガタガタになった経済をなんとか立て直そうという意志が感じられました。
増置税という日本の消費税にあたる税金も減税するなど、経済政策については、日本の財務省や財務省お抱えの緊縮増税派経済学者よりも、中国共産党の方が国民のことを真剣に考え、優秀な政策を出しています。
そのような中で李克強首相が目をつけたのが露店です。露店は誰でも簡単に始められ、絶好の失業対策になるので、李克強首相は積極的に推進しようとしました。
ところがこの時は、地方政府が強烈に反発し、北京をはじめとする各都市で、城管(無許可営業や違法駐車などを取り締まる治安公務員)が、露店に車で突っ込んだり、店主をボコボコにする動画がネットに投稿されるなど、露店を徹底的に痛めつけて排除しました。
元々各都市は無秩序に乱立する露店を懸命に排除して、街の景観を作ってきた歴史があるので、突然に露店を推奨すると言われても受け入れ難いものがあったのでしょう。
多維新聞という、ニューヨークに拠点を置く中国の政治中心ののメディアの報道によると、北京市は9月7日に「特殊な事業活動のための公共空間の一時的な占拠」を認める文書を発表しました。
新しい規制は、露店で売る商品のカテゴリーを絞り、指定された時間帯、指定された場所に設置するように規制するもので、従来の混沌とした無秩序な出店にならないようにしています。
北京市によれば、露店経済、中国語では「地摊(ジータン)経済」は、新型コロナで落ち込んだ景気を立て直すための段階的な処置だとしています。
中国の景気回復を後押しし、新型コロナで大打撃を受けた後の消費を活性化させるための補完策と見られているのが「地摊(ジータン)経済」です。
経済が回復すれば再び禁止される運命の露店ですが、上に政策あれば下に対策あり、の人たちはいろいろ手を考えて生き残っていくのでしょう。
10月19日に発表された、第3四半期の国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比4.9%増となりました。世界的に見ても目を引くデータですが、実際の経済活動ではまだまだ問題が多く、まだ「地摊(ジータン)経済」には独自の価値や存在意義があるとされているようです。
参考資料 *>s
多維新聞>曾被主流舆论抵制 北京重启地摊经济为哪般
http*://bit.ly/3ma2SZB
<腾讯网>地摊经济过后,将迎来新一轮商机:个人赚钱的时代来了
http*://bit.ly/34iD5s5