中国公務員特集：中国「給与削減時代」、早期退職で年金の損失食い止める

　　近年、中国の公務員や公的サービス職員は大幅な給与カットにさらされており、退職年金を固定化するために早期退職を余儀なくされた者もいます。

　　米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

　　昨年、中国各地で公的機関の職員の給与カットや手当の打ち切りが噂された。北京、上海、揚州では、最近、政府からの補助金が削減され、教師、医師、その他の公務員の収入が著しく減少していることが報道されたため、中国が「普遍的な給与カット」の時代に突入したのではないかとネットで噂されています。

　　広州に住む許紅さんは、中等学校の教師をしている妹が昨年、業績給を停止され、給与が約50％カットされたと語りました。

　　「妹は公立学校の教師です。業績給がストップしたので、給与は2018年から45％減額され、20万元(約426万円)を切ったと言っていました。私の妹は高三のクラス担任をしています。2018年には、彼女は年間40万元(約853万円)近くもらっていました。」

　　昨年8月頃から、北京や上海などの大都市の政府系公的サービス職員も給与カットの対象となっています。

　　『人民日報』や『21世紀商報』など多くのメディアの報道によると、北京同仁病院の医師は8月に給与が大幅に減額され、業績賞与や夜勤手当が50％も減少しました。

　　多くの医療スタッフや関連専門家は、近年の病院の赤字が医師の給与削減の主な原因だと分析しています。また、伝染病予防など業務量の増加により、地域病院は日常的な伝染病予防に必要な保護具などを購入のための支出もまた増加しています。

-公務員の退職政策の変更年金の削減

　　徐紅氏によると、今年の年金が大幅に減額されることになったため、昨年退職しなかったことを後悔している警察官もいると指摘し、「警察業界には、50代になって勤続30年以上であれば早期退職を申請できるという内規があります。」と述べています。

　　ある警察官は、2022年にこの内規を満たして早期退職しました。彼はこのように嘆きます、「私はもう1年働けば、退職金が1000元(約21000円)上乗せされて9000元(約19万円)から10000万元(約21万円)もらえるはずだった。でも1年働いたことで退職金が5000元ちょっとしかもらえなかった。先輩や後輩たちからは『偷雞不成蝕把米(こっそり得をしようと思ってかえって損をする)』と皮肉られた。」

　　広州のあるネットユーザーによると、彼の母親は地元の大学を定年退職した教師で、毎月の年金は約8000元(約17万円)だといいます。彼女は最近、学校の退職事務所から8000元(約17万円)の年金が4500元(約8万5千円)に減額されたという通知を受け取りました。

　　成都市に住む元公務員の周さんは、給与が減少する中、公務員の友人の多くは年金が減額されないことを理由に早期退職を選んだとし、「私は50歳で退職しました。手続きに従えば、6月に年金をもらうことができます。毎月年金をもらえるはずです。6月に年金をもらえるなら、毎月4000～5000元(約85000~106000円)、少なくとも3000元(約64000円)はもらえるはずなんです。」と述べました。

　　昨年初めから、北京、上海、杭州の警察官を含む公務員がいずれも20％前後の大幅な給与カットに見舞われ、公務員のムードに大きな影響を与えています。湖南省株洲市の元公務員は、警察業務の質と効率が劇的に低下したと語っています。

　　中央政府直轄の自治体である天津市の退職教師の顔さんは、天津市、南京市、大連市の警察官が20％の減給処分を受けたとし、「これは感染症流行後に起こったことで、公務員の減給やボーナスの返還などの要求が、以前にはなかった形で増え始めたのです。鉄飯碗・金飯碗の人々が減給を始めているのだ。これは一箇所で起きていることではない。」と述べています。

[注]鉄飯碗・金飯碗：政府などの公共機構に保護されている職業、極めて恵まれた職業のこと

-公務員の収入は減少国民の収入はさらに減少

　　山東省に住む張さんは、公務員は給料カットだが、民衆の手元にはお金がないとし、「今、民衆の手元にもお金がなく、月に1000元(約21000円)、2000元(約42000円)しかもらえない人もいる。私は区の自治委員会に行き、電化製品の下取りを見たが、民衆はそこに行く人もいなければ、行列を作る人もいない。倒産した企業が多すぎる。私の周りの友人や親戚も苦労しています。」と述べました。