黄大仙の blog

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ASML、米国の強要に対抗:中国でのサービス継続、メンテナンスを提供しない理由はない

中国の半導体製造能力を抑制し続けるため、米国はオランダや日本などの同盟国に圧力をかけ、中国の半導体技術へのアクセスをさらに制限しようとしています。しかし、オランダのリソグラフィ大手ASMLPeter Wennink最高経営責任者(CEO)は、中国国内の顧客に販売した機器のメンテナンス、アップグレードなどのアフターサービスを提供できない理由はなく、中国国内に設置された機器に対するサービス制限もないと述べました。

  米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。

ASMLは中国でのサービスを継続

  Peter WenninkCEOは、ASMLの第1四半期決算発表後の電話会見で、「米蘭両政府が議論しており、もちろん我々も意見を提供している。 政府が議論する必要があることだが、現時点で我々が中国の顧客にサービスを提供することを止めることはない」と述べました。

 

  近年、中国はASMLにとって台湾、韓国に次ぐ第3の市場となっています。ASML2024会計年度第1四半期の決算によると、前四半期の露光装置の売上に占める中国の割合は49%で、過去最高を更新しました。台湾と韓国が占める割合はそれぞれ6%と19%に過ぎません。

 

  ASMLは、今年の中国売上高の最大15%が輸出規制措置の影響を受ける可能性があると予測しています。

 

  ASMLRoger Dassen最高財務責任者(CFO)は、中国の顧客が同社の受注残の約20%を占めていることを指摘し、「中国の需要は旺盛で、生産能力を増強するのは合理的だ」としたうえで、「数年後には世界市場における中国のシェアははるかに大きくなり、現在と比べれば、自給率は高まるだろう」と付け加えました。

 

  Bloombergは近頃、オランダと日本に対し、中国の半導体技術へのアクセスをさらに制限するよう説得しようとした最近の米国の試みは阻害されたと報じています。

 

  オランダ政府関係者は、新たな措置を導入するのは時期尚早であり、先端半導体製造装置に対する既存の禁止措置の影響を評価するため現状を維持し、米大統領選の結果が出るまで待ちたいとしています。

 

  The Observer紙によると、4月初め、輸出規制の執行を担当するバイデン政権のアラン・エステベス商務次官(産業・安全保障問題担当)がオランダを訪問し、ASMLに対してアフターセールス・メンテナンスなどについて直接圧力をかけ続けており、オランダ政府の外交的にも商業的にも頭痛の種となっています。

 

  ロイター通信は、オランダは輸出規制に関して米国と協調し続ける可能性が示唆されているが、ロシアとウクライナの紛争が長引いていることや米国の大統領選の行方が不透明であることから、オランダ政府も中国の影響力を警戒しているだろうと分析しています。

 

 

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  米国は中国に対する先端半導体規制を強めており、日本やオランダにも制裁に協力するように圧力をかけ続けています。

 

米国が対中チップ輸出規制を更新する際に知っておくべき4つのポイント - 黄大仙の blog

アメリカの対中半導体規制、日本・オランダに強化要請 製造装置や材料 - 日本経済新聞 

米チップ企業エヌビディア、中国への出荷を延期 - 黄大仙の blog

 

 

  しかし、ファーウェイが昨年8月に発表したスマホMate 60 Pro」には、 SMICが生産した7nmプロセッサが搭載されていました。

 

deepredrose.hatenablog.com

 

  さらに、ファーウェイが今月発表したノートパソコン「MateBook X Pro2024」には、インテル製のAIチップが搭載されていました。

 

deepredrose.hatenablog.com

 

 

  米国政府が対中国半導体規制を行うのは安全保障を目的としているはずですが、実質的な損失は日米蘭各国の民間企業に押し付けられており、持続可能な規制にはなっていないようです。

 

  規制に協力した企業には、損失補填なり協力金支給なりが必要でしょう。

 

 

参考記事

<世界新聞網>甩美胁迫 ASML态:继续服务中国 没理由不提供维护

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