ジョン・ブリンケン米国務長官が訪中し、米国政府はロシアの軍事産業への支援をやめるよう中国に圧力をかけるため、中国の一部の銀行に対する制裁草案を準備していると米メディアが報じました。米政府は、西側の制裁にもかかわらず、中国の輸出によってロシアは防衛産業を復活させることができたと考えています。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、この件に詳しい人物の話として、米国はブリンケン国務長官の訪中中、中国がロシアの軍事生産に支援を提供するのを阻止するため、中国政府に圧力をかける方法として、一部の中国の銀行を世界の金融システムから遮断する恐れのある制裁草案を準備していると伝えました。
米国政府関係者によると、2023年におけるロシアのマイクロエレクトロニクス製品の約90％は中国からのもので、ロシアはそれを使ってミサイル、戦車、航空機を製造しています。
2023年第4四半期には、ロシアの機械・工具輸入の70％近く（約9億ドル相当）が中国からのものでした。
米国は最近、中国に対してロシアの軍事産業への支援をやめるよう声を上げています。米国は、このことがロシアがウクライナとの戦争のために兵器生産を強化することを許していると主張しています。
ブリンケン米国務長官は、「工作機械、半導体、その他のデュアルユース商品の中国からの供給が、過去に制裁と輸出規制によって壊滅的な打撃を受けたロシアの防衛産業基盤の再建に役立っている。」と述べています。
また、「今日、中国が一方で欧州や他の国々との良好な関係を望んでいると主張するならば、他方で、冷戦以来欧州の安全保障に対する最大の脅威に燃料を加えることはできない。」と述べました。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、米政府関係者が、ブリンケン国務長官が今回の訪中中に一部の中国の銀行を米ドルから切り離すという脅しをかけることで、中国が方向転換することを期待していると報じました。
銀行は対ロ輸出の重要な仲介役であり、対外貿易取引のために顧客企業に融資するだけでなく、支払い手続きも行っています。
イエレン米財務長官も4月初めに中国を訪問した際、「ロシアの軍需産業部門に軍事品やデュアルユース品を送る注目すべき取引を促進する銀行は、米国の制裁のリスクにさらされる」と述べています。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、銀行に対する制裁は、個人や企業に対する通常の制裁よりも広範囲に影響を及ぼすため、あくまでも最後の手段であると報じています。
このような制裁は、銀行を顧客全体が影響を受ける絶望的な状況に追い込むことが多く、米政府高官は、西側からの協調的な外交圧力がこのような行動を回避し、米中間の脆弱なデタントが壊れないことを望んでいます。
一方、ある米政府高官は、ロイター通信に対し、米国は当初、中国の一部の銀行に制裁を科すことを検討していたものの、そのような措置を実施する計画はまだ策定していないと述べました。
同高官は、短期的には中国の銀行に制裁を科す計画はなく、外交的手段によってそのような措置を取ることを避けることを望んでいると明かしました。
報道によると、中国とロシアはアメリカの圧力を回避する方法をまだ探しており、中国の大手銀行のいくつかは、ドルビジネスとはほとんど関係がなく、アメリカの制裁をほとんど恐れていない無名の地方銀行に徐々に取って代わられています。
中国外交部の王文斌報道官は4月23日の定例記者会見で、「中国は常に法律に従ってデュアルユース品目の輸出を管理してきた。中国がロシアを含む他国と正常な経済・貿易交流を行う権利は不可侵であり、自国の合法的な権利と利益を断固として守る。」と述べました。
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ブリンケン国務長官がわざわざ中国に乗り込んで、ロシアへの支援をやめないと銀行を制裁するぞと脅しをかけようとするくらい、中国が対ロシア制裁を守っていない証拠をアメリカが掴んでいるということなのでしょう。
ファーウェイに対する先端半導体の輸出禁止制裁に関わらず、ファーウェイが先端半導体を搭載したスマホやノートPCを発売したように、制裁の効果はあまり長続きしないようです。
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アメリカは、もしかするとロシアや中国を挑発して、20世紀の『ニイタカヤマノボレ』『トラトラトラ』を再現しようとしてるなんてことないでしょうね。
参考記事
<徳国之声>美媒：华盛顿拟制裁部分中国银行作为最后手段
