SMICは、米国と同盟国が中国の先端半導体技術と装置の輸出に厳しい制限を課しているにもかかわらず、上海に新しい半導体製造ラインを設置することに成功したと、英フィナンシャル・タイムズ紙が報じました。フィナンシャル・タイムズ紙は、SMICは既存の米国とオランダの製造装置を使い、スマートフォンの新バージョンに使われる5nmチップの生産を目指していると伝えています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
昨年10月、バイデン政権は先端チップ製造装置の輸出規制を強化しました。
米国はまた、オランダや日本と協力し、中国が最新のチップ製造ツールを獲得するのを阻止するために長い間取り組んできました。
これに対して中国政府は、自国内の半導体サプライチェーンを構築するために多額の投資を行ってきています。
ファーウェイは昨年8月、7nmプロセッサを搭載したプレミアム・スマートフォン「Mate 60 Pro」を発表しました。
米調査会社のCanalysによると、この人気フラッグシップスマホにより、ファーウェイの中国における出荷台数は昨年第4四半期に50%近く急増しました。
ファーウェイの人工知能(AI)プロセッサーであるAscend 920も、スマートフォンの生産目標に達すれば、SMICに引き渡され、5nmプロセスで生産される予定だと情報筋は述べました。
Atlas 900 PoD (モデル: 9000) | Huawei Enterprise
SMICはまた、より多くのキリン・チップとAIグラフィックス・プロセッサ(GPU)を生産するために、既存の7nmの生産能力を増強しました。
しかし、SMICで先端チップを生産するコストは非常に高く、SMICが生産する5nmと7nmのチップは、台湾のTSMCが生産する同クラスのチップの価格よりも40~50%高く販売されています。
SMICが生産するチップの歩留まり率が、TSMCが生産する同クラスのチップの歩留まり率の3分の1以下になっているのもコストアップ要因となっています。
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中国は米国から先端半導体の輸出制限を課されていますが、あの手この手を使って裏ルートで先端チップを入手しようとしたり、自国企業に開発させようと躍起になっています。
参考記事
<自由亜州電台>遭美出口嚴限 中芯國際和華為傳將生產5奈米晶片