中国の若手プログラマーの多くはいわゆる「996」勤務に不満を持っています。中国当局は「996」勤務に関するSNSでの議論の規制を強化しており、法的な労働権を守ろうとするプログラマーからの抗議を防ごうとしています。
996勤務とは「朝9時から夜9時まで、週に6日間働く」という意味での長時間労働を象徴する言葉で、2016年ごろに生まれた言葉です。
Github(ギットハブ)というソフト開発プラットフォーム上には、「996.ICU」というと称するプロジェクトのページを開設され、現場のプログラマーたちから寄せられる情報をもとに、企業のブラックリストを実名で公表するなど、「反996」の活動を展開しました。
「996.ICU」のICUは病院の集中治療室のことで、996勤務を続けた結果、病気になって集中治療室に運び込まれるという意味だそうです。
中国のプログラマーの996勤務への不満は高まり続けていて、アリババ、京東、バイトダンスなど、実際に996の勤務体系を実践している企業のリストや労働法違反の証拠を掲載した投稿が現在も更新されています。
馬雲(ジャック・マー)氏はアリババ会長だった昨年、社内での講話で「996で働けることは幸せなことだ。多くの企業や個人は、そんなことができる機会すらない。むしろ誇りに思うべきだ。若い時に996をやらなかったら、一体いつできるのか？ 他人を上回る努力と時間の代償を払わなければ、どうして自分が望む成功を手にできるのか」と語り、996勤務の残業文化を公に支持しています。
ジャック・マーの講話は「経営者の論理」、「論理のすり替え。使命のために働くことと996はまったく別の話だ」などの強烈な反発や批判を招きました。
996勤務は中国のIT企業の一般的なデフォルトの企業文化で、雇用契約締結時には、勤務体系が午前9時から午後9時までであること、週6日勤務であることを従業員に説明していると言うプログラマーもいます。
残業についての不満が噴出しているにもかかわらず、企業によっては高額の報酬や、ストックオプションなどの手厚い待遇があるため、自分の人生を売るのも仕方ないと沈黙するプログラマーもいるようです。
経済アナリストは、中国の雇用はますます逼迫してきており、仕事も少なくなってきているため、労働者間の悪質な競争が起きていて、経営者はプログラマーに圧力をかけて追い込んでいると指摘しています。
中国のIT業界はアリババ、テンセント、ファーウェイなど巨大企業が占める割合が多いことから、中国政府は996勤務に不満を持つ世論を取り締まる傾向があり、微博やWeChat上の不満の声を削除していると、経済アナリストは指摘しています。
本来中国共産党は労働者階級が主導し、労働者と農民の同盟に基づく政党であるはずなのですが、いつから資本家の利益を代表する政党に代わったのでしょう？
日本でも長時間労働を強制するブラック企業が問題になりますが、中国の企業も負けず劣らずブラック企業が多いようです。
参考資料 *>s
にほんブログ村<自由亜州電台>中国码农对“996”不满持续升级 当局严控舆论维稳
http*://bit.ly/35YPdzw
