黄大仙の blog

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現代のシルクロード「中欧班列」 中国-ヨーロッパの鉄道貨物大幅に減少

現代のシルクロードと呼ばれる、中国とヨーロッパを結ぶ貨物鉄道「中欧班列(トランス=ユーラシア・ロジスティクス)」。EUの対ロシア制裁以降、鉄道コンテナの輸送量が大幅に減少しているとのことです。荷主は商品の安全性を懸念し、ロシア経由を避けています。

  フランス国営メディアのrfiの記事より。

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中欧班列 中国とヨーロッパを結ぶ現代のシルクロード

  中欧班列は中国上海から中央アジア、ロシアを経由して、ドイツのデュースブルクに至る壮大な鉄道で、スムーズな輸送と他の輸送ルートと比較した場合の優位性を謳っています。

 

  「船よりも速く、同時に航空便よりもはるかに安い」を謳い文句に、近年運行本数は急激に拡大し、海上輸送、航空輸送に次ぐ第3の輸送モードとして認知度が高まってきていました。

  

  輸送日数は「1216日」で、ヨーロッパ最大の内陸港であるデュースブルク港にとって、鉄道輸送は費用対効果の高い輸送手段であることが証明されています。

 

  中国西部内陸部の重慶成都でも、鉄道輸送が貿易全体に占める割合は、大きく拡大しています。

 

  しかし、ロシアによるウクライナ侵略戦争で状況はかなり変わり、戦争が貨物ビジネスに与える影響は非常に明確であると言います。

 

  中国からデュースブルク港に向かう中欧班列の列車は、通常、ロシア、ベラルーシポーランドを経由します。

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中欧班列路線図

  輸送はほぼ計画通りに進んでいますが、一部の荷主は貨物量を減らしたり、海上輸送に切り替えようとしたりしています。 

 

  欧米諸国の制裁により、ロシアを経由する輸送貨物に保険がかけられないことや、特定の商品や工業製品の輸送が禁止されているためです。 今、ロシアを乗り継ぎたいと思う人はほとんどいないでしょう。

 

  中欧班列を走る中国の列車は、長年にわたり、空路や海路と並ぶ重要な輸送手段でしたが、現在ではロシアを経由する鉄道輸送ルートを回避する荷主も増えてきています。

 

  業界筋によると、ロシアやベラルーシを経由する鉄道輸送を直接的に禁止する制裁措置はないとのことです。 ロシア鉄道は金融制裁の対象でしかなく、利用することが禁止されているわけではありません。

 

  2020年には、中国とヨーロッパを結ぶ中欧班列を約12,000本の列車が走っており、 国際的な貨物輸送業者は、中国の列車をしっかりと計画に入れています。

 

  しかし、今年224日にロシアがウクライナ侵略戦争を開始して以来、中国ヨーロッパ間の貨物列車の需要が激減しています。

  

  ロシアによるウクライナ侵略戦争は、世界経済へも大きく影響を及ぼしています。


 

参考記事

<rfi>丝绸之路上的德中火车货运明显下滑

http*://bit.ly/3JpsYmC