人民元は米ドルに対して下落を続けており、10月21日には2008年の世界金融危機以来の最低水準に落ち込みました。人民元安の余地はまだ残っていると考えているエコノミストは多くいます。
米国国営の国際放送の美國之音の記事より。
中国の主要国有銀行がここ数日、市場でドル売りを続けているが、人民元のスポット価格の下落を止めることはできず、21日には0.46%下落し、1ドル=7.2494円で取引を終え、14年ぶりの安値となりました。
今年に入ってから、人民元は米ドルに対して12.3%下落しました。
人民元安の主な要因は、米連邦準備制度理事会(FRB)が厳しい金融引き締め政策を続けているため、ドル高が続くとの見方が広がっていることと、習近平がゼロコロナ政策が当面緩和される可能性はないとのシグナルが中国共産党第20回全国代表大会で発信されたことの2点であると見られています。
この方針の下、中国政府は各レベルで「静態管理(都市封鎖)」を行い、オミクロン株の蔓延を抑制していくことになりますが、今後も中国の経済成長に大きな打撃を与えることは間違いないでしょう。
中国人民銀行は21日、人民元の為替レートを安定させるため、37取引日の間対ドルレートを固定することを決定しました。
しかし、外国為替トレーダーは、中国人民銀行が第20回全国代表大会閉幕後、人民元の為替レートに対する管理を緩和する可能性があると考えています。
多くの外国為替トレーダーは、人民元が今年中に対米ドルで7.4ドル、あるいは7.5ドルの水準まで下落すると考えています。 人民元が現在の7.25前後の水準にとどまると考えているトレーダーは、わずか10%に過ぎません。
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人民元安は輸出競争力の増強になるので、経済が落ち込む中国にとっては追い風になると思いますが、ゼロコロナのリスクが足を引っ張ります。
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参考記事
<美國之音>人民币兑美元汇率跌至14年来最低,今年或可跌破7.5