中国は長年アフリカ地域への重要な投資家でありつづけていますが、近年米国のバイデン政権もアフリカとの新しいパートナーシップを開き、日本もアフリカ開発会議(TICAD)の中心として政治・経済交流を続け、アフリカ大陸で中国と競争しています。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
2022年8月27日から28日までアフリカ・チュニジア共和国の首都チュニスで開催された第8回アフリカ開発会議(TICAD)は、日本、チュニジア、国連などの共催で開催され、当時新型コロナに感染していた岸田文雄首相はオンライン方式で参加しました。
アフリカ開発会議(TICAD)は1993年から2013年まで5年ごとに開催され、2016年からは、人材や食糧援助、インフラ整備への投資拡大を目的に3年ごとに、日本とアフリカで交互に開催されています。
第8回アフリカ開発会議は、新型コロナの世界的流行、食糧危機の背景下で開催され、国際協力機構(JICA)の天明真二郎副所長は、新型コロナの流行やロシアのウクライナ侵略戦争による食糧供給難が、アフリカ地域の栄養不良を悪化させたと指摘しました。
日本は、食糧生産支援として約1億2400万ユーロ(約174億円)を発表しました。これは、アフリカの稲作開発に焦点を当てた集中投資で、農家や政府による戦略策定を支援することにより、2030年までに同大陸の米生産量を5600万トンに倍増させることを目的としています。
さらに日本は、感染症や農業害虫に対応するために、3年以内に30万人の保健衛生師を養成したいと考えています。
アフリカの民間セクターは、スタートアップ企業創出への投資に焦点を当て2020年に開始した「Innovation Action with Japan」プロジェクトにより、すでに物流や健康に特化した約10社の企業が誕生しています。
日本は、優れたインフラに3年間で50億ユーロ(約7000億円)、再生可能エネルギーに40億ユーロ(約5600億円)を充てる予定です。
外務省アフリカ局次長の宮下忠之氏は、「これらの取り組みを通じて、日本は1993年の第1回アフリカ開発会議以来、アフリカ開発のパートナーシップとオーナーシップを推進し、対等の関係を維持する道を歩み続けたい。この原則は、日本が国連開発計画(UNDP)と協力する際の基礎にもなっています」 と説明しました。
これらの原則は、日本が国連開発計画、アフリカ連合、世界銀行と共同でTICADに関連して行った行動でもあり、大陸での良いイメージ作りに貢献しています。
アフリカ大陸での投資は、日本企業にも利益をもたらしています。アフリカの一部の国では、治安の悪さや物流の問題から、進出を控える日本企業もありますが、農業大手の味の素など、アフリカ大陸に進出している日本企業は、2010年の520社から、現在は910社に増えています。
近年、タンザニア、モザンビーク、ウガンダなどでは、Wassha社のようなエレクトロニクス分野の日本の中小企業が活躍しています。
日本のベンチャーキャピタルであるサムライインキュベートは、これまで約30社のアフリカのベンチャー企業の育成を支援してきました。
早稲田大学のアフリカ専門家の片岡貞治教授は、日本の大陸での発展は、新型コロナの大流行によって影響を受けていると指摘し、日本では警戒心が強すぎて多くの会議や旅行がキャンセルされ、東京も国境を閉鎖してしまい、アフリカでの影響力が弱くなったことを指摘しています。
そのため、今回の第8回アフリカ開発会議は、天然資源に恵まれ、高い人口増加と大きな可能性を秘め、2019年の人口13億人から2050年には人口25億人に達するアフリカ大陸に、日本が再び足を踏み入れたことを記念して開催されました。
日本は、中国が推進する『新シルクロード』とは異なることを示そうとしています。日本は、アフリカ諸国の一部が中国への返済不能の債務を積み上げている「債務の罠」に対抗できる金融業者の育成に着手しています。
また、日本は今後も司法・警察関係者の研修を継続する予定です。2019年の第7回アフリカ開発会議以降、約46,000人が研修を受けています。
日本と中国はアフリカで同じことをしているわけではなく、量的には、中国はヘビー級、日本はライト級という分析がなされています。しかし、日本は品質、価値、信頼性、誠意によって影響力を高めることができます。日本は政治的影響力を強化し、アフリカ大陸の擁護者となる必要があります。
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アフリカ関連のニュースは日本のマスコミはあまり報じません。
中国共産党は毛沢東の時代から、(4000万人もの中国人が餓死した大躍進時代も含め)、アフリカ支援を続けています。
このことがアフリカ諸国(の政府)が中国を支持する理由になっており、国連でアフリカ諸国が中国に味方し、中国よりの決議に賛成票を投じる源泉となっています。
日本では、「貧困に苦しむ人がいるのに海外支援なんてもってのほか」と叫ぶ人もいますが、日本のアフリカ支援は増やすべきだと思いますか、減らすべきだと思いますか?
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参考記事
<rfi>日本与中国在非洲竞争
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