ロシアで起きたワグネル・グループの反乱の急速な収束は、中国でも二極化した反応を巻き起こしています。中国政府やメディアの沈黙とは対照的に、ネットユーザーたちは反乱が中国に与えうる影響について議論しており、「プーチンは倒れない」「失地回復」が主流意見となっている。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
ロシアにいる中国人の中には身の安全を心配する声もあり、中国政府は、秦剛外交部長が状況説明のため来日したロシア外務次官を出迎えたのに続き、馬朝旭外務次官がプーチン大統領の反乱への対応に支持を表明し、ロシアの安定を支持すると述べました。
トルコのエルドアン大統領がプーチン大統領支持を表明したり、イラン外務省が「ロシア全土の法の支配」を支持表明したのとは対照的に、中国の当局者は反乱についてコメントしていません。
中国全土の反応を見ると、実にさまざまな反応があります。新華社、CCTV、『人民日報』などの中国官製メディアは、ワグネル反乱とプーチンのテレビ演説を含め、限られた報道しかしていませんでした。
中国官製メディアが目立つ報道をするようになったのは反乱の終盤になってからですが、それも明らかに抑制した報じ方でした。
一方、インターネット上では、多くの中国人がワグネルの反乱を話題にし、「プーチンの料理人」「プリゴジン」や「コック兵士」「ワグネルグループ」が流行語になり、中には海外メディアの最新報道を即座に再投稿し、経過をずっと追っている人もいました。
多くの人がワグネルの進行の速さに驚くと同時に、ワグネルによる突然の部隊投入中止の発表に、「どうしてあんなに早く中止できるのか」と絶句しました。
コメントのなかには、「プリゴジンは唐代の安禄山のようなもので、標的が長安からモスクワに変わっただけだ」と、今回の反乱を中国の歴史と結びつける意見もありました。
しかし、ネットライターの多くは、歴史的な恨みはさておき、ロシアとプーチンは今や欧米諸国に対する中国の稀に見る強力な同盟国だと主張しており、プーチンが退陣すれば、あるいはロシアが崩壊しても、欧米諸国は間違いなく中国を相手にするだろうから、中国は黙っているわけにはいかず、必要であればプーチンの支援に乗り出すべきだと主張しています。
中国が軽々しく介入すべきではないという意見もあります。結局のところ、プーチンのウクライナ侵攻作戦は、「中国を国際舞台で受動的な立場に追いやった重大な策略」であり、この反乱でプーチンの権力が揺らいでいることは言うまでもないから、軽率に間違ったことに賭ければ、「ろくな結果にならない」と冷静に見る意見もあります。
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ワグネルの反乱には、中国政府は大人しくしていますが、ウラジオストックを含む沿海州など、清朝時代にロシアに奪われた領土の回復を、密かに狙っているのかもしれません。
参考記事
<rfi>瓦格纳兵变在中国回荡 网络意见两重天