黄大仙の blog

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中国の保利テクノロジーズがロシアの武器工場に火薬を大量に納入

中国の国有企業とロシアの武器工場との間で昨年行われた輸送は、これまで報道されていなかったが、ロシアの対ウクライナ侵略戦争における中国の対ロシア武器支援の新たな疑問を投げかけました。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

中国の保利テクノロジーズがロシアに火薬を納入

  ニューヨーク・タイムズ紙の報道によりますと、昨年、数十トンの無煙火薬(少なくとも8000万発の弾薬を製造するのに十分な火薬)を積んだ列車が、ロシアと中国の国境を越え、辺境の町トランスバイカルを走っていました。

 

  この火薬は中国の国営企業である保利テクノロジーズ社によって、ロシア中部の弾薬工場であるバルナウル弾薬工場に運ばれました。保利テクノロジーズ社は、ミサイル技術を世界中に販売し、イランを支援しているとして、アメリカが制裁を科している企業です。

 

  これまで明らかにされていなかった貨物が、アメリカの貿易データ収集会社Import Geniusによって発見され、ウクライナ侵略を狙うロシアを支援する中国の役割について新たな疑問が投げかけられました。

 

  米政府高官は、中国がロシアに「致命的な援助」として戦争に使われる製品を送っているのではないかという懸念を表明していますが、『中国がそのような製品を送った』とは明言していません。

 

  ブリンケン国務長官は19日北京で、「中国はウクライナで使用するための殺傷力のある武器援助をロシアに提供しないと米国に確約しており、米国政府はそれに反論するものは『今のところ何も見ていない』。しかし、我々は中国の民間企業が援助を提供するかもしれないことを懸念している」と述べています。

 

  保利テクノロジーズは、中国政府が所有する中国保利集団公司の子会社です。過去の米メディアの報道では、保利テクノロジーズがロシアの国営企業にナビゲーション機器やヘリコプターの部品を輸出していることが報じられています。

 

  ワシントンD.C.を拠点とするグローバル・セキュリティの非営利団体C4ADSの記録によると、火薬を受領したバルナウル弾薬カートリッジ工場は、ロシアの民間企業ですが、過去10年間に渡り、ロシア政府および軍部と多数の契約を結んでいます。

 

  専門家の中には、保利テクノロジーズ社が侵攻以来バルナウル・カートリッジ工場に出荷した総額は200万ドル近くにのぼり、これを致命的な武器援助にあたると言う者もいます。

 

  税関の記録によれば、保利テクノロジーズはロシアのカラシニコフアサルトライフルやスナイパーライフルを撃つための弾薬として出荷しています。

  世界の輸出入貿易を監督するImport Geniusのリサーチ・ディレクター、ウィリアム・ジョージは、「軍用カートリッジの製造に使われる大量の火薬が紛争国に出荷されるとき、完成品が戦場で致命的な影響を及ぼさないと考えるのは不合理である」と述べています。

 

  カーネギー・ロシア・ユーラシア・センターのアレクサンダー・ガブエフ所長は、「一般的に中国は、米国によるロシア制裁のレッドラインを 『目に見える明らかな方法で』越えるような行動は取らないだろう。しかし、保利テクノロジーズ社は戦前からバルナウル工場に出荷していた経緯があるため、中国はこれらの出荷を通常の貿易の流れの一部と見ているのかもしれない」と述べています。

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  『中国による対ロシア制裁破り』が発覚したわけですが、欧米はどう対応するんでしょうか?中国政府は保利テクノロジーズに火薬の出荷をやめさせるのでしょうか?

参考記事
<rfi>纽时:中国保利科技公司向俄罗斯军火工厂运送大量火药
https://x.gd/EUulV