中国はインバウンドとアウトバウンド観光旅行に門戸を開いていますが、旅行者数は期待されたほど多くありません。航空便の不足やビザ取得の難しさといった障害が、欧米の旅行者にとって中国の魅力を低下させているだけでなく、国内景気回復の遅れが、中国国民の海外旅行への尻込みにつながっています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
7月の時点で、中国発着の国際便の数は2019年のレベルの53%までしか戻っていません。ロイターのデータによれば、北京などの人気観光スポットはいつもより混雑していたが、外国人観光客はほとんどいませんでした。
特筆すべきは、中国が発表した海外開放ツアーの第3陣から台湾がまだ外れていることです。台湾当局は、互恵的な状況下で台湾海峡を越えた観光ツアーを再開する意向を示しています。
また、カナダも開放リストに入っていません。AFP通信によると、オタワの中国大使館は声明を発表し、その理由は、いわゆる「中国の干渉」について、カナダが繰り返し騒ぎ立てるからだとのことです。
声明は、カナダでは反アジア的な差別的言動が著しく増加しており、中国政府は在外中国人の安全と合法的な権益を守ることを非常に重視しており、安全で友好的な環境で旅行することを望んでいる、と述べています。
中国とカナダの関係は以前、孟晩舟事件で緊張し、今年に入ってからは、中国がカナダの選挙に介入したとカナダが非難したことで、さらに悪化しています。
カナダは、中国が選挙に介入し、国会議員を脅そうとしていると非難したことで、今年5月には外交官が互いに追放されるなど、両国は深刻な摩擦に見舞われています。
一方、中国国内に目を向けると、国際便の減少、欧米諸国によるビザの発給の遅れ、国内経済の低迷により多くの中国人が大金を使うことを躊躇して、海外旅行をする中国人は減り、国内旅行が好まれるようになっています。
ブルームバーグは、中国人旅行者が海外旅行に消極的な主な理由として、他国の法律や秩序に対する懸念や、不利な扱いを受けることへの恐怖などを挙げています。さらに、中国人旅行者は費用、ビザ取得の難しさを懸念しています。
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最近、中国が日本への団体旅行を解禁したことで、日本の一部の業界やマスコミからは、中国人観光客に期待する声が大きくなっています。
あまり期待しすぎると期待倒れに終わる恐れがありますが、せっかく来てくれるのですから、日本の美しい風景、美味しい海の幸山の幸、心に響くおもてなしを満喫して欲しいですね。
SNSでは、「来るな」「迷惑だ」「また騒がしくなる」など、否定的な意見も散見されますが、まさか戦闘機や戦艦に乗ってやってくる訳ではありませんので、そう嫌わなくてもいいのでは。
参考記事
<自由亜州電台>中国出入境旅游持续低迷
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