黄大仙の blog

何にでも首を突っ込みたがる好奇心旺盛なOJISANブログです。

中国、人工知能で死者と対話

中国では多くの人工知能企業が、亡くなった人をバーチャルに蘇らせ、愛する人に会って話をさせるビジネスを展開しています。顧客の中には、子供を亡くして悲しみに打ちひしがれている親だけでなく、死別した恋人にもう一度会いたいと願っている絶望的な恋人もいます。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

AIで亡くなった方のクローンを作成

  AFP通信は20日に、中国東部のある墓地で、呉という男性が、亡くなった息子の声を電話で聞いている、と報じました。それは息子の生前の録音ではなく、人工知能が喋らせたものでした。

 

  「Xuanmo(宣墨)」という名前の呉氏の息子は昨年に若くして亡くなりましたが、少しロボットっぽい声でこう話しました:「私が早く死んだせいで、あなたは毎日苦しく、罪悪感や無力感を感じているのでしょう。たとえ私があなたのそばにいられなくなっても、私の魂はまだこの世にあり、あなたの人生に寄り添います。」

 

  呉氏さん夫妻のように、愛する人を失った中国人の多くが、失った人を生き返らせるために人工知能(AI)に目を向けています。

 

  呉氏さんにとって、最終的な目標は、息子とまったく同じように振る舞うバーチャルの身代わりを作ることです。

 

  「現実とメタバースとのシンクロが達成されれば、息子は再び私のもとに戻ってくる」と呉氏は語っています。

 

  いくつかの中国企業は、バーチャルな追悼サービスを提供する流行に乗り、何千人ものバーチャルな「デジタル人間」を作成したと主張する企業もあり、中には故人の30秒の動画を作成するところもあります。

 

  昨年、一人息子の宣墨が22歳の若さで脳卒中で亡くなったことで、呉氏さん夫妻の生活は劇的に変わりました。

 

  呉氏によれば、息子は英国のエクセター大学で金融と会計を学び、スポーツが大好きで、充実した人生を送っていました。

 

  中国におけるチャットボット(ChatGPT)の台頭は、取り乱した父親に新たな希望を与えました。

 

  そのために、呉氏は息子の宣墨の写真、動画、音声記録を集め、数千ドルをかけて、人工知能の専門会社に息子の顔と声のクローンを作らせました。

 

  結果はまだ初歩的なものでしたが、呉氏ははそれだけにとどまるつもりはありません。息子に関する多くの情報を含むファイルを編集し、彼の考え方や話し方を再現するためにアルゴリズムに頼っています。

 

  呉氏の元同僚で、この分野の専門家である超級大腦社の創業者の張澤偉氏によれば、中国はAI技術に関しては世界有数の国だといいます。

 

  「中国は人口が多く、感情的な欲求を持つ人が多いので、市場という点で有利なのです。」

 

  張澤偉氏によると、彼の超級大腦社は、1万元から2万元(約2040万円)の料金で、20日前後で基本的なヘッドショットを作成できるとのことです。

 

  超級大腦社のクライアントの中には、愛する人を亡くした人だけでなく、子供との時間が足りずにイライラしている親もいる。 別れた恋人にもう一度会いたいと願う傷心の恋人もいるとのことです。

 

  彼らが提供するビジネスのひとつに、従業員の顔と声を、顧客が会いたい人の顔と声に置き換えたビデオ通話があります。

 

  「これは私たちの社会、さらには世界全体にとって非常に重要なことです。バーチャルなデジタル版の人間は、たとえ肉体が存在しなくなったとしても、永遠に存在し続けることができるのです。」と張澤偉氏は語っています。

 

  南京硅智の創設者である司馬華鵬には、これを、人々が愛する人を記憶する方法に革命を起こした肖像画や写真と比較しています。

 

  英国バース大学の「死と社会研究センター」の研究者であるタル・モースは、「これらのアバターはある程度の安らぎを与えることができる」と認めています。

 

  タル・モースは、続けて、「ここでの基本的な問題のひとつは、このゴースト・ロボットが、彼らが模倣しようとしている人格にどれだけ忠実であるかを知ることです。というのも、『もしロボットの行為が、ロボットが象徴するはずの人々の記憶を汚染したらどうなるのか?』『死者が本当に同意したのかどうか、どうやって知ることができるのか?』といった疑問が残るからです。」と述べています。

 

  超級大腦社の張澤偉氏は、どんな新技術も「諸刃の剣」であることを認めていますが、「困っている人を助ける限り、何の問題もない」と主張します。

++++++++++++++++++++++++++++

  AIを使って亡くなった方の『クローン』を作る。あなたは賛成しますか、反対しますか?

参考記事

<rfi>法新:在中国,人工智能与逝者对话

https://x.gd/M9Zmv