中国本土に対するアメリカの対抗意識を、単なる冷戦の再来だと言うのは単純すぎるだろう、とバーンズ駐華米国大使は語り、現在の中国の脅威はソ連よりも大きいと強調しました。台湾問題については、米国の一つの中国政策は変わっていないと改めて強調しました。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
バーンズ大使は米メディアVOXのインタビューを受け、その内容が7月31日に発表されました。
米中関係について、バーンズ大使は冷戦を経験しており、ソ連は非常に強力だったが、どちらかといえば一方通行の国、つまり「軍事的で核武装した国」だったと指摘しました。
現在の中国と西側の対立について、バーンズ大使は「これが単なる冷戦の再来だと言うのは単純化された考えだ」と主張し、中国がソ連よりも大きな経済力を持っていることを強調しました。
中国の影響力を世界中に広げる「一帯一路」構想や、中国が世界最大の製造・輸出国であることを含め、「中国はソ連よりも大きな脅威だと思う」とバーンズ大使は指摘します。
「米国はこの10年、そして次の10年も中国と競争し続けなければならない。 そしてインド太平洋でどちらがより強力な勢力になるか、両者が軍事的に競い合うことは間違いないと確信した。」とバーンズ大使は主張しました。
台湾問題については、バーンズ大使は米国の政策に変化はなく、1970年代から一つの中国政策を追求してきたことを改めて強調し、「この非常に困難な問題の平和的解決を望んでおり、特に中国が平和的解決に尽力すべきであると考えている」と述べ、米下院議員の台湾訪問の権利を引き続き支持することを強調しました。
南シナ海問題に関しては、バーンズ大使は米比相互防衛条約第4条がセカンド・トーマス礁をカバーしていると主張し、「我々は中国指導部に対し、この条約上の義務を非常に確信していることを明確にした。米国はまた、中国がスプラトリー諸島だけでなく、パラセル諸島の大部分、東シナ海の釣魚台列島に対する「過剰な法的主張」を放棄することを望んでいる。」と述べました。
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バーンズ駐華米国大使は、中国当局からは「次期大統領に解任される運命にある。中米関係を弱体化することに日々努力する大使」と評価は散々です。
バーンズ大使の主張は至極もっともなことばかりなのですが、中国には耳の痛いことばかりのようです。
中国から悪評を受けているということは有能な証拠と思って良いんでしょうね。
参考記事
<世界新聞網>美驻北京大使:中威胁比苏联更大