米国は中国製アプリから利用者の個人情報を守るために、「クリーンネットワーク」を掲げています。スマホなどの端末から中国アプリを排除するのが目的です。
中国がこの状況に黙って耐えているはずもなく、中国外交部趙立堅報道官が反撃に出ました。
中国には「グレート・ファイアウォール」と呼ばれるサイバー空間の万里の長城があり、Google検索,YouTube,facebook,twitterなど日本でもよく使われているアプリは中国では使えません。
しかし中国製アプリは中国以外でも使えるので、TikTokやWechatを使っているユーザーは多いと思います。
この中でTikTokはAndroidのセキュリティーを潜り抜けて端末の個人情報を中国に送信していると、WSJがスクープしたように、中国製アプリはユーザーの許可なく勝手に端末の個人情報を、中国国内にあるサーバーに送っている疑惑があります。
中国には「国家情報法」「国防動員法」という法律があり、中国政府が要求すれば『いかなる組織及び個人も、法律に従って国家の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならない』(情報法)。
『報道やインターネット、医療機関、郵便、建設、貿易、食糧などの民間資源をすべて政府の管理下に置くことができる』(動員法)とあります。
この法律により中国政府が要求すれば、中国人や組織が管理する情報を提出しなくてはなりません。中国アプリを排除しようとしているのは、これを恐れているからです。
そんな中、8月14日の中国外交部の定例記者会見で、趙立堅報道官が反撃に出ました。
趙立堅は、米国の行為は『泥棒が他人を泥棒呼ばわりする』ようなものだと非難しました。
米国には過去に「PRISMゲート」、「イクエーション・グループ」、「エシェロンシステム」などネットスパイ活動の実績があり、米国の諜報機関は、世界中の携帯電話やインターネット上のコンピュータを24時間監視し、さらには10年以上も同盟国の指導者(ドイツ・メルケル首相)の携帯電話を監視していました。
これについて米国は何も説明していないのに、なぜ中国アプリが個人情報を盗むと非難するのか、と趙立堅は問いかけています。
米国の言う「市民のプライバシーや個人の自由の保護」は、世界を欺くためで、彼らが求めているのは「クリーンネットワーク」ではなく「米国のネットワーク」であり、「米国の監視ネットワーク」なのではないかと言っています。
趙立堅が言いたいことは、米国だってベットで個人情報集めているんだから、中国が同じことやって何が悪い、と言っているようなものですね。
米国も中国もどっちもどっちなんですが、日本としてどっちにつくかは大事なポイントですね。強い方につきましょう。
参考資料
WSJ:「TikTok、利用者情報追跡していた グーグル規約に違反か」
环球网:「赵立坚:美个别政客想要的恐怕不是“清洁网络”而是“美国网络”」