黄大仙の blog

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アメリカ国務次官が台湾を訪問 中国の反応:台湾メディアは大騒ぎするな、中国は状況の進展に応じて必要な対応を行う

アメリカのクラック国務省次官が訪問団を率いて、17日午後に台湾に到着しました。19日に行われる李登輝元総統の国葬に参列するための訪台です。台湾メディアは1979年以来「台湾を訪問」した米国務省の最高位の高官だと大歓迎しました。

  外交部汪文斌報道官は定例記者会見でコメントを発表しました。何とコメントしたのでしょう。

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  アメリ国務省クラック次官一行の日程は、18日に蔡英文総統と会談し、19日に真理大学で行われる李登輝元総統の告別式に出席したのちに、19日午後には特別便で台湾を離れる予定とのことです。

 

  台湾外交部のプレスリリースによると、クラック国務次官の訪台は1979年以来の米国務省高官の訪台であり、台湾が心から歓迎する意向を表明しました。また、前回のアザー厚生長官の台湾訪問に続いてアメリカが政府高官を派遣し、アメリカがいわゆる「台米関係」を重要視し、一貫して強固に支持していることを示したと主張しています。

 

  これに対して中国政府が強く反応しました。まず中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官が記者会見を開き、次のように述べました。

  『台湾問題は中国の内政問題であり、外部勢力の干渉を許さないと述べた。我々はアメリカ側に対し、一つの中国の原則と三つの米中共同声明の規定を遵守し、台湾地域とのあらゆる種類の公式接触を停止することを求める。』

 

  続いて中国外交部の汪文斌報道官は、17日の定例記者会見で次のようなコメントを発表しました。

  『中国はアメリカ側に対し、台湾問題の非常にセンシティブな性質を十分に認識し、一つの中国の原則と3つの米中共同声明の規定を遵守し、米台間の公式交流を直ちに停止し、実質的な関係を強化し、台湾関連の問題を慎重に処理することを強く求める。中国は情勢の進展を踏まえて必要な対応を行う。』

 

  馬暁光報道官と汪文斌報道官ともに「3つの米中共同声明」を遵守せよと言っていますが、これは1972228日の上海コミュニケで『台湾は中国の一省である事』などを謳った共同声明を発表し、その後1973222日、19741130日の2回の共同声明で上海コミュニケを再確認したことを示しています。

 

  上海コミュニケの台湾関連の項目は以下のとおりです。

『双方は、米中両国間に長期にわたつて存在してきた重大な紛争を検討した。中国側は、台湾問題は中国と米国との間の関係正常化を阻害しているかなめの問題であり、中華人民共和国政府は中国の唯一の合法政府であり、台湾は中国の一省であり、夙に祖国に返還されており、台湾解放は、他のいかなる国も干渉の権利を有しない中国の国内問題であり、米国の全ての軍隊及び軍事施設は台湾から撤退ないし撤去されなければならないという立場を再確認した。中国政府は、「一つの中国、一つの台湾」、「一つの中国、二つの政府」、「二つの中国」及び「台湾独立」を作り上げることを目的とし、あるいは「台湾の地位は未確定である」と唱えるいかなる活動にも断固として反対する。』

 

  この文章を普通に解釈すれば中国の主張は正しいと言えますが、今までの中国共産党の行動、例えば南沙諸島スプラトリー諸島)についてのハーグ仲裁裁判所の判決をガン無視したり、中英共同声明を踏みにじって香港の一国二制度を蔑ろにしたことを見れば、50年も前の共同声明を遵守しろなど、どの口が言うのだろうと思ってしまいます。

 

 

参考資料

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<海峡导报>美国务院次卿克拉奇抵台,台媒大肆炒作“41年来访最高层级官员

http*://bit.ly/2ZNytYo

 

<澎湃新聞>外交部回应美副国务卿访台:中方将根据形势发展作出必要反应

http*://bit.ly/3hIuiTE

 

香港問題に関する英中共同声明

http*://bit.ly/3iJFctF