中国の第3四半期(7~9月)のGDP成長率は、前年同期比で4.9%の成長となり、世界的に見ても注目を集める結果となりました。金融危機(リーマンショック)の時の様に、中国に経済復興の牽引役を期待する人たちが今でもいますが、本当に期待できるのでしょうか。
ドイツ国営メディアである徳国之声に掲載された解説記事は、中国の景気回復は間違いなく見通しが明るいが、前回の世界金融危機の時のように世界経済を再び盛り上げることができるかどうかは疑問である、と述べています。
その理由として、中国の民間企業は新型コロナによる景気後退から回復していないことを挙げています。欧米からの受注が止まったままである事が原因だと言います。
一方でインフラ投資や住宅建設には、巨額の資金が投じられているために、その分野のビジネスは活況を呈していますが、一方で債務増加ももたらしています。
金融危機の時には、広大な中国には投資すべき新幹線網や高速道路網が、多く手付かずで残されていました。都市部の住宅もまだ不足していました。
しかし金融危機後の景気刺激策として、世界経済を牽引するほどの投資を行った結果、中国はすでにインフラ整備がほぼ完了した国となっています。
新設の新幹線、高速道路、住宅、橋梁、発電所などの多くは費用対効果が低く、長期的には何の付加価値も生み出さないと記事では指摘しています。
長期的には中国は停滞期に入っており、さらに中国が戦狼外交で外国との緊張関係を強めると、多くの外資系企業が中国市場から撤退する可能性があります。
習近平政権は一帯一路(現代のシルクロード計画)とAIIBで、景気浮揚を狙いましたが、至る所で債務不履行に直面し、借金のカタに取った港湾使用権なども、欧米諸国から”植民地政策”と非難されるなど、うまく行っていない様子です。
停滞する一帯一路の打開策として注文されているのが、第3のシルクロードと言われる北極ルートの開発です。
新疆ウイグル自治区を出発点とし、中老アジア諸国を通過するシルクロードや、南シナ海を出発点として中東や地中海へつながる海のシルクロードを補完するルートとして注目されています。
北極ルートは貿易ルートの役割だけでなく、エネルギーの安全保障の役目も担っていると指摘する識者もいます。
北極ルートによりロシアの石油や天然ガスを輸入できれば、中東への依存度を下げる事ができるだけでなく、南シナ海有事の際や、台湾海峡有事の際に南からの海上輸送が打撃を受けた時の補完になります。
この様に景気浮揚に撮っても、安全保障にとっても注目されるシルクロード北極ルートの開発ですが、ロシアとの関係と環境団体のコントロールが決め手となりそうです。
環境問題でトランプ大統領に噛み付いている少女も、中国のCO2排出や、プラスチック海洋投棄には何も言いませんから、環境団体のコントロールはうまくいっている様ですね。
まさか、中国の悪口を言ったら臓器を全部取り出して、売っ払うぞと脅されてたりして。。。。そんな事ないよね、知らんけど。
参考資料 *>s
<徳国之声>德语媒体:“中国孤岛”
http*://bit.ly/31ELioN