米連邦裁判所は、米国司法省が、アップルやグーグルの米国のアプリストアから、微信(WeChat)のダウンロード禁止を求めた要請を却下しました。結局ダウンロード出来るの出来ないの?
とてもややこしい表現なので誤解を招きやすいのですが、当面はダウンロード可能だという事です。
WeChatはLINEの様なSNSアプリで、アクティブユーザーが全世界で10億人を超えるSNS界の巨人です。
『WeChatはLINEの様なアプリ』ではなく、『LINEはWeChatの様なアプリ』と言わないと世界では通用しませんね、ユーザー数だけ見ると。
10億人のユーザーのうち、中国国内のユーザーが6億人と言われています。残りの4億人のほとんどが中国人留学生、駐在員や華僑の人たちと言われています。
あなたの周囲の中国人の方にWeChatを使っているか聞いてみるといいでしょう。百人中百人が使っていると答えるはずです。
それぐらいポピュラーなWeChatですが、TikTokと同様に安全保障に問題ありとして、アメリカ政府から睨まれ、今年の9月20日にダウンロードの禁止命令が出されました。
アメリカ政府が運営する中国語メディアの美国之音の報道によると、9月20日のアメリカ政府の禁止令に対して、米連邦地裁は安全保障上の脅威となる根拠が薄弱だとして禁止処置の差し留めを言い渡していました。
禁止処置の差し留めを不服として、米国司法省は差し留めの撤回を求める訴えを起こしました。
これに対する判決が10月23日に下され、司法省の訴えを棄却するという判決でした。
司法省はこの後控訴裁判所に控訴しましたが、控訴裁判所の判決が出るのは12月以降になる見込みなので、当面の間はWeChatは米国内のApp StoreやGoogle Playでダウンロードができます。
簡単に整理するとこんな感じです。
司法省:WeChatのダウンロードは禁止だ。9/20
地裁:禁止を差し留めだ。
司法省:差し留めを撤回しろ。
地裁:撤回しない(撤回請求を棄却)。10/23
司法省:控訴だ。 <—-いまココ
これはアメリカの話で、日本がどうするのかは決まってませんが、アメリカでWeChatやTikTokが禁止されれば、日本も禁止する様に圧力をかけてくるのは明白です。
一方で中国は「禁止したら、タダではすまないぞ」と脅迫してくる事でしょう。
私個人からすれば、WeChatが使えなくなると、中国にいる知り合いとの連絡や代金の支払いに困るのですが、安全保障に問題があるのなら仕方ないですね。
参考資料
<美国之音>美法官拒絕撤回有關微信的臨時禁制令