アップル社は、中国のサイバーセキュリティ法を遵守するために、中国共産党が好まないコンテンツはアプリストアに表示されないようにし、中国ユーザーの個人データを中国のデータ管理センターに保存して中国政府に引き渡すと報じられました。
ニューヨークタイムズの報道を引用した多維新聞の記事より。
アップル社のほとんどすべての製品は中国で組み立てられ、大中華圏はアップル社の売上比率の約1/5を占めており、アップル社は中国に依存して世界の時価総額チャンピオン企業に飛躍しました。
中国政府はこれを利用してアップル社を脅迫し、市民のプライバシーを守るというイメージを捨てさせようとしています。 中国市場に対応するために、アップル社は「Designed by Apple California」という文言を削除したほどです。
アップル社のエンジニアや独立系のデータセキュリティ専門家によると、これらの譲歩により、中国政府が中国ユーザーの電子メール、写真、連絡先、カレンダー、位置情報などにアクセスすることを防げなくなることです。
中国ユーザーの個人情報が保護されなくなっただけでなく、アップル社は近年、中国当局の要求に応じて、天安門事件、チベット独立、台湾独立などの「センシティブなコンテンツ」を取り上げたアプリを大量に削除しています。
アップル社は、中国のiPhone向けに、インドに亡命したチベットの精神的指導者であるダライ・ラマに関するアプリを禁止しました。
2017年以降、アップル社の中国のApp Storeから約5万5,000本のアプリが削除されていると報じられています。
中国の反応:
中国外交部の趙立堅報道官は、5月18日の定例記者会見で、上記の報道に対して次のように回答しました。
「まず第一に、中国の主権と領土保全を尊重し、中国の法令を遵守することは、中国で活動するすべての外国企業の基本的な遵守事項であり、有るべき筋道です。」
「第二に、中国の法律は、データのセキュリティや個人情報を含む、市民や組織の正当な権利と利益の保護を明確に規定しています。 中国政府は、データセキュリティ保護の関連原則を厳格に実施し、法律に従って関連する違法行為を禁止および取り締まります。」
「第三に、米国は、世界で悪名高いハッカー帝国であり、秘密を盗む帝国であり、その同盟国さえも免れません。 アメリカ政府が意のままに自国民の個人情報を入手しているという報道は日常茶飯事です。 アメリカは他人を盗人呼ばわりをして、中国の顔に泥を塗るようなペテンを止める方が良い。」
すぐにブーメランで自分のところに帰ってきそうな発言ですが、これくらい面の皮が厚くないと世間を渡り歩くことはできないのでしょう。
アップルのようなアメリカの巨大企業でも、中国事業を展開する上で、中国共産党の顔色を伺いながら進めなくてはいけないのですから、日本の企業が中国共産党の言いなりになるのは仕方ないのでしょうか。
参考記事
<多維新聞>苹果公司被指向中国交数据控制权 北京批美贼喊捉贼
http*://bit.ly/3otvWhc
<rfi>苹果向中共低头:应用程式不出现北京不喜欢的内容并向北京提供中国用户资料
http*://bit.ly/2Rn5rhn
<駐日中国大使館Web>2021年5月18日外交部发言人赵立坚主持例行记者会
http*://bit.ly/3fpMwKI