中国台湾事務弁公室は、中国福建省と台湾を結ぶ台湾海峡横断の鉄道ハイウェイ建設計画があることを公表しました。
米国に拠点を置く、世界中の華人向けメディアの世界新聞網の記事より。
中国21世紀発展研究所の台湾海峡横断実証センターの呉之明所長は、台湾海峡横断の構想と議論を重ねた結果、福建省の福清から台湾海峡を渡り、平潭島を経由して台湾の新竹に至るルートは、海を渡る距離がわずか124キロと短いと説明しています。
このルートが完成すれば、海を挟んで124kmの距離を車で1時間、高鉄(新幹線)で30分で移動できます。
環球時報によると、台湾海峡横断のルートは、北部ルート、中部ルート、南部ルートの3ルートあります。
北部ルートは福建省の福清から台湾海峡を渡り、平潭島を経由して台湾の新竹に至るルートで、両端はそれぞれ福州と台北の近くになります。
中部ルートは福建省の莆田から台湾海峡を渡り、南日島を経由して台湾の苗栗に至るルートです。
南部ルートは厦門から金門島、澎湖諸島を経由して台湾の嘉義に至るルートです。
呉之明所長は、現実的なのは北ルートと南ルートの2つの選択肢だといいます。
北ルートは、全長約140km、海上区間約124kmと短く、福建省から台湾まで車で約1時間で、鉄道で約30分というアクセスが可能で、平潭海峡の公共鉄道橋が建設され、平潭島には鉄道駅が建設される予定です。
南ルートが最も長く、240キロ近くあり、北ルートの2倍近い長さがありますが、台湾の専門家や学者の中には、南ルートに興味を持つ人もいます。
呉之明所長は、南ルートは中国の経済センターの一つであるアモイ経済特区に近いという利点があり、この路線は台湾南部の発展に大きな利益をもたらすとの見解を示しました。
鉄道分野の専門家の中には、南北両ルートを開通させ、中国の高速鉄道と台湾のMRTを結びつけて、福建省と台湾を結ぶ環状道路を作ることができるのではないかと提案している人もいます。
中国国務院の計画概要に北ルートが含まれているにも関わらず、呉之明所長は「北ルートが最も実現性が高いと感じられるが、まだ最終的な決定には至っておらず、実現には程遠い」と述べています。
また、 呉之明所長は、アモイと金門島を結ぶ「アモイ-金門跨港橋」の設計がすでにエンジニアリングの段階に入っていることを明らかにしています。
「アモイ-金門跨港橋の橋梁設計はすでに出ていて、金門と大陸の同胞は非常に仲が良く、より密接な関係を持っており、長い間、両岸のつながりを楽しみにしています。」
アモイ-金門跨港橋は、多くの一流の専門家や学者が、技術的なボトルネックはないとの見解を示しており、呉之明所長は、台湾海峡横断は世界で最も長い海の横断となるが、中国本土の技術力でこれらの問題を解決できると考えています。
中国同済大学の橋梁工学専門家であり、国際橋梁構造工学協会の葛耀君会長は、台湾海峡横断のような戦略レベルのプロジェクトが最終的に実現するかどうかは、技術、資金、政治の3つの側面にかかっているが、 技術的な問題は解決できているとしています。
資金面では、3,200億元の四川・チベット鉄道が完成すれば、余裕が生まれ、より重要な台湾海峡横断プロジェクトに4,000億元を投入することができると見込んでいます。
中国の海峡横断鉄道計画は、北京からオーストラリアのメルボルンまでの13000kmを、新幹線で結ぶ構想がありましたが、日本人とは規模の違う夢を追い求めているようです。
参 考記事
<世界新聞網>中国「台海通道」案 福建到台湾 开车1小时 火车30分钟
http*://bit.ly/3xC1GVU
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