北京冬季五輪の厳格な新型コロナ検査規則が物議を醸しています。PCR検査のCT値は、多くの欧米諸国よりも高い基準で設定されており、出発前に陰性だった選手が、中国到着後に陽性となる可能性があります。
ドイツ国営の国際放送メディアである徳国之声の記事より。
議論の中心は、結果が陰性か陽性かを決定するPCR検査のCT値でです。
PCR検査は、採取した検体(唾液、鼻咽頭スワブなど)の中に存在するウイルスの特定のターゲット遺伝子を増幅させ検出する検査法で、結果の評価に用いるCT(Cycle Threshold) 値は、検出可能な閾値に達するまでPCRにて何回増幅を行ったかを示す数値です。
CT値のが低ければ低いほど採取した検体のウイルス量が多く、高ければ高いほど少ないことを表します。
カナダのほとんどの地域ではCT値35が基準となっており、ドイツではCT値30以上で非感染者とされますが、中国では40が基準となっており、カナダやドイツよりも厳しい閾値となっています。
IOCは中国のCT値を擁護しており、IOCの健康専門家であるブライアン・マクロスキーは、主催者側の狙いは「オミクロン株を疫病予防の閉じたバブルの中に入れないことだ」と指摘しています。
マクロスキーは、出発前に陰性だった選手が、中国到着後に陽性となる可能性があることを認めつつ、中国のシステムは「有効で信頼できる」と強調しています。
オミクロン変異株は感染力が強いので、CT値を上げて陽性例を早く検出することが重要だとマクロスキーは述べています。
中国に渡航した五輪参加者の第一陣から、39名の新型コロナが検出されました。
北京冬季五輪組織委員会のホームページによると、空港に入国した五輪関係者は2,586名となっており、入国時の検査で39人が再検査で陽性となりました。
すべてのアスリートは、中国に出発する2週間前から体温などの健康状態を把握し、PCR検査を2回連続して受け、いずれも陰性でなければなりません。
北京冬季五輪の「防疫バブル」に入った関係者には、厳しい防疫ルールが適用され、 毎日の検査が義務付けられています。
この2週間ほどで、合計336,421人の中国内外の五輪関係者が検査を受け、33人の陽性反応が出たとのことです。
北京冬季五輪での厳しいウイルス検査を目の当たりにして、参加するアスリートの中には、「参加者がこんなに苦しんでいるのに観客無しだなんて、現在の開催は誰のためにもならないから延期した方がいい」と音を上げる人たちもいるようです。
北京に到着した飛行機の窓から見えたのが、白い防護服、プレキシガラスのカバーがついたマスク、外側にゴム手袋をして完全武装した人たちだったことで、怖気付いた参加者が多いようです。
中国のことですから、新型コロナ陽性者が見つかれば、感染が広がらないように、すぐに拘束監禁してくれるでしょうから、参加者は陰性であるかぎり安心して競技に専念できるでしょう。
陽性になった人たちがいつ頃「釈放」…じゃなくて「退院」できるかは、神のみぞ知るということですね。
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参考記事
<徳国之声>中国新冠测试“高门槛”引争议
http*://bit.ly/3AzJhuw