ロシアとウクライナとの間の高まる緊張を打開し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を阻止するため、フランス大統領とドイツ首相はそれぞれモスクワとキエフを訪問します。
米国国営放送である美国之音の記事より。
ウクライナ危機が深刻化する中、今回の一連のハイレベル訪問が実現しました。
フランスのマクロン大統領は、2月7日にモスクワ、8日にキエフを訪問しました。ドイツのショルツ首相は、2月14日にキエフを、15日にモスクワを訪問する予定です。
マクロン大統領はプーチン・ロシア大統領との対話を積極的に進めており、ここ数週間、何度も電話会談を行っています。
フランスはNATOの主要メンバーであり、フランス軍はNATOがロシアの攻撃に備えて、ウクライナの隣国ルーマニアに配備されています。
マクロン大統領は、ウクライナ危機に自らの足跡を残し、欧州の利益を守ろうとしているようです。
ドイツは、多様な外交努力の重要性を強調し、ウクライナへの武器供給を拒否して、一部の同盟国を怒らせており、ショルツ・ドイツ首相はこの危機の中で目立たないようにしていると国内世論から批判されていました。
マクロン大統領は、2月3日の夜、ロシアとウクライナの首脳と会談し、「緊張を緩和できる要素を特定する方法」と「欧州における戦略的バランスを達成する条件」について議論したと発表しました。
ロシアは、ロシア・ウクライナ国境に10万人以上の軍隊を動員しており、 ロシアが再びウクライナに侵攻するのではないかと懸念されています。2014年、ロシア軍はウクライナのクリミア地方を占領し、クリミア併合を実施しました。
しかしロシアはウクライナ侵攻の計画を否定し、欧米諸国に対し、ウクライナのNATO加盟を認めないこと、ロシア国境付近へのNATO兵器の配備をやめること、東欧に展開する欧米軍の撤退を要求しています。
ロシア政府は、米国政府やNATOともっと対話する意思があることを繰り返し示唆しています。
北京冬季五輪開幕にあわせて中国を訪問中のプーチン・ロシア大統領は、中国の習近平国家主席と会談しました。
会談後の中露共同声明では、「中国は、欧州における法的拘束力のある長期的な安全保障に到達するというロシア連邦の提案に共感し、支持する」と述べ、NATOの東方拡大への反対を明確にしました。
トルコのエルドアン大統領は、2月3日にキエフを訪問してゼレンスキー・ウクライナ大統領と会談し、「ゼレンスキー大統領は、トルコが仲介役を務めるというトルコの提案を強く支持している」と述べています。
またエルドアン大統領は、「欧米の指導者は、ロシアとウクライナの緊張関係の解決に積極的な貢献ができていない」と批判し、プーチン大統領が近くトルコを訪問することを明らかにしました。
しかし残念なことに、エルドアン大統領は、ウクライナから帰国した直後にオミクロン変異株への感染が明らかになり、仲介作業も遅れることが懸念されています。
世界中が仲介に動くウクライナ情勢ですが、当事者のゼレンスキー・ウクライナ大統領自身が、「ロシアが軍事侵攻する事は無い」と言い切り、報道機関に「パニックを作るな」と注意喚起をしています。
ロシアが軍事侵攻するかどうかはわかりませんが、各国の調停がうまくいくことを願うだけです。
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参考記事
<美國之音>为化解俄乌危机法德展开密集斡旋 土耳其也不甘落后
http*://bit.ly/34J2QEs
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