台湾防空システムの要である地対空弾道弾迎撃ミサイルの部品納入業者が、米国のオリジナルメーカーの証明書を偽造し、一部はタオバオでも手に入る中国製の偽部品を納入していたという、重大な軍事調達のスキャンダルが発生しました。 この偽部品が当該ミサイルに使用されていた場合、国防の安全保障に影響を及ぼす可能性があります。
米国国営の短波ラジオメディアの自由亜州電台の記事より。
台湾本島と離島に大量に配備されている地対空弾道弾迎撃ミサイルは、天弓システムという台湾の防空と弾道ミサイルの迎撃という重要な任務を担っています。
この天弓ミサイルの部品をめぐって、大きな不正行為が発覚しました。
台湾メディアの『鏡週刊』は、天弓ミサイルを開発している台湾国家中山科学研究院の入札業者のうち少なくとも3社が、規格外の製品を使用し、米国の工場証明書まで偽造した疑いがあることが判明したと報じました。
『鏡週刊』によりますと、ミサイルを固定するネジやミサイルの起動に使う点火装置や軍事規格の電気配線などの部品に偽部品が使用されていたと指摘されています。
台湾の新竹市にある業者が、安価な中国の浙江柳晶の整流器や電子機器を調達し、オリジナルの米国メーカーの証明書を偽造して台湾国家中山科学研究院を騙し、長年にわたって数億台湾ドルを騙し取ってい他ことが暴露されました。
情報筋によれば、整流器は、ミサイルの心臓部である点火装置に使用されており、偽部品を使用した場合、電流が流れず、ミサイルの発射ができずに国家の安全を著しく脅かす可能性があると述べています。
有識者は、この悪行は表向きは無節操なビジネスマンの小手先の利益欲だが、その本質は敵に協力して反逆を行うことと同じだとし、中国の工作部隊は常に台湾に潜入して活動していると指摘しています。
台湾国家中山科学研究院は、昨年3月に整流器の性能検査で業者の不正を発見し、自主的に司法調査に委ね、賠償請求訴訟を提起したと発表しています。
国家安全保障に影響を及ぼすミサイル部品調達案件は、台湾国家中山科学研究院が調達検査で発見し対処しており、兵器生産や各種特別プロジェクトの推進には影響がないとしています。
台湾国家中山科学研究院は、物品およびその部品の調達を含め、中国製品の使用を厳しく禁止しており、請負業者は物品の納入に中国製品および部品を使用しない旨の誓約書に署名することが義務付けられています。
米国聖トマス大学の葉耀元教授は、ビジネスマンである納入業者が利益志向を持つのは仕方のないことなので、より厳格な監視規範が必要だと語っています。
葉耀元教授は、「台湾は中国を第一の仮想敵国としているため、軍需産業の業者は台湾国防部との間で、『中国共産党や人民解放軍、あるいは中国政府機関とは国家機密や入札内容を一切明らかにしない』、この基本概念を確立する必要がある」と述べています。
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参考記事
<自由亜州電台>台湾天弓导弹弊案 承包商违法提供中国制劣质零件
http*://bit.ly/3snMWaY