1999年に開設された中国語のニュースウェブサイトで、アメリカ合衆国ニューヨークに拠点を置き、中華人民共和国の政治ニュースを専門的に扱っていた多維新聞が、26日午後4時から更新を停止し、23年の歴史に幕を下ろしました。 サイトの閉鎖は、さまざまな憶測を読んでいます。
海外に拠点を置く中国語メディアの希望之声、RFI、世界新聞網の記事より。
多維新聞は1999年に何頻所氏が設立し、2009年に香港の実業家于品海氏が株式を取得、現在は于品海氏の南海ホールディングスグループの一員となっています。南海ホールディングスグループは、他のメディア部門として2016年に「香港01」を設立しています。
于品海は、多維新聞を買収する前には、北京大学でマルクス主義哲学の博士号を取得するために勉強していたとされています。
于品海は、多維新聞の編集事務所をニューヨークから北京に移し、香港や台湾にも編集部を置いていました。 また、ウェブサイト「多維新聞」のほか、台湾海峡両岸の政治問題を分析する月刊誌「多維月刊」を香港版と台湾版のそれぞれを発行していました。
多維新聞はその姿勢から、中国共産党中央委員会に近く、中国の対外プロパガンダを推進するのが得意と見られていました。
多維新聞の停刊前の4月22日に掲載した記事で、中央委員会の200人前後の「小さな輪」が中国共産党の次世代指導者を選出する、いわゆる「政治エリートトップ指名制」を踏襲することを提案していました。
習近平が3期目を目指す第20回共産党大会は、今年下半期に開催すると発表されていますが、人事に関する敏感な内部議論を行う時期になって、その後継者選びを提案するかのような記事を掲載した4日後に、多維新聞は何の予告もなく突然ウェブサイトの閉鎖を発表しました。
一方で、昨年半ばには、「多維月刊台湾版」が休刊し、昨年末には台北編集部の閉鎖されており、関係者によると、半年にわたって給与遅配が発生し、スタッフも減り、資金繰りに窮していたとのことです。
当ブログでも時々引用させていただいた多維新聞ですが、突然の閉鎖が資金繰りの悪化によるものなのか、『中国共産党の次世代指導者の選出』というデリケートな問題に踏み込んでしまった結果、中央からの圧力によって閉鎖に追い込まれてしまったのか、色々と憶測を読んでいます。
参考記事
<世界新聞網>财困、暗示习下台?大外宣「多维新闻」熄灯 网猜内幕
http*://bit.ly/3OIfbeD
<rfi>“小骂大帮忙” 亲北京的多维新闻为何突然停运
http*://bit.ly/3LwngS0
<希望之声>习近平出手?中共二十大博弈新方向标 多维突然停运
http*://bit.ly/37NfS5W